予告扁。
先日、職場を去った60代の女性は、
いつものように明るく、
いつものように誰にも媚びず、
最後まで、ちゃんと自由だった。
独身。
賃貸暮らし。
趣味は海外旅行。
現在は、そこに「無職」という肩書が加わったことになる。
余計なお世話だと知りながら、気になってしょうがない。
あの人はこれからどうなっていくのだろう、と。
朝は何時に起きているのだろう?
貯蓄はどのくらいあるのだろう?
田舎の実家には戻る場所はないと言っていたけれど、
これからもずっと賃貸で暮らせるのだろうか?
前は、会社に来れば誰かいたけれどね。
今は、誰と話し、笑い合っているのだろう?
そもそも、アタシは、何故こんなにも他人の「その後」にザワついているのか?
それは多分、他人の人生を眺めながら、
こっそり自分の老後をシュミレーションしているからに違いない。
貯金、健康、家賃、孤独。
急に、ゴツイ登場人物が勢ぞろい。
あの人の背中に映った世界が、
まるで、未来のアタシの予告扁みたいだ。
なんて失礼なアタシ、と思いながらも、
なんて正直なアタシ、とも思っている。
あの人の未来に興味深々なのは、
アタシが自分の未来にビビッているからなんだ。

本日のまこメシ。
ただ少し。
家賃と孤独に敏感なだけ。
【今のうちに食べておこう、お寿司の晩酌のまこメシ。】
・寿司(いくら/イカ)
・炙り焼きチキン
・枝豆
・日本酒(冷酒)

老後って、もっと、こう、
急に達観して、
縁側でお茶でも飲んで、
季節の花なんか愛でてるものだと思っていたよ。
だけど、現実は、生活の延長戦。
現実は、容赦がない。
不安だ。
嗚呼、不安だ。
未来のアタシはどうなっているのだろう?
求人情報を眺めながら、
特売の時間を気にして、
膝に湿布を貼りながら、
ひとりでテレビでも観ているのだろうか?
不安が募る中。
久しぶりに会った彼女は、
相変わらず、自由で綺麗だった。
微(かす)かに寂しさみたいなモノも感じとれたけれど、
それは諦めでもなく、
意地でもなく、
自分の人生を自分で引き受ける人の静かな決意みたいなモノ。
何だか少しカッコよかったな。
良かった。
アタシの「予告扁」は、結構、楽しくやっているみたいだ。

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