お父さんと呼ばれて。

なんでもない日常

お父さん?


休日のデパ地下は、混雑している。
押し合い、へし合い、人が流れていく。


買物途中のご婦人が、
旦那さんを見失いそうになり、小さく叫んだ。

「お父さん!」


周囲の紳士たちが、一斉に振り返る。
汝(なんじ)の名、皆、お父さんのようだ。


夫婦は、いつから、名前で呼ばなくなるの?
自分の奥様の声と区別できないの?


夫婦の不思議。
ずっと独身のアタシには、永遠に解けそうにない。





気づくと、年端もいかない幼い子が、
家族の誰かと間違えたのだろうか?
その柔らかい腕で、アタシの足に巻き付いてきた。




「おとーしゃん」





















せめて。

「お母さん」と間違えてくれないか?

本日のまこメシ。


「お父さん」だって、


可愛いウサギは好きなのだよ。

【デパ地下で買い求めた慰めのケーキのまこメシ。】
・『アンテノール』春うさぎのレアチーズ
・コーヒー



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おそらく、
子供が生まれる前までは、互いを名前で呼んでいた夫婦も、
子供の誕生を機に、家庭内での役割が呼び名になったのだろう。


それはそれで、幸せな家庭を築いていこうとする意志が感じられるが、
中には、名前で呼ばれない寂しさを感じている人がいるかもしれない。


二人きりの時には、
互いの名前で呼び合っていると信じたい。


皆、素敵な名前を持っているのだから。

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