紅茶と食器と元カレと。
元カレは、紅茶が好きな人だった。
猫舌のくせにね。
熱い紅茶にフーフー息を吹きかけている彼の姿を見るのが、アタシは好きだった。
だからアタシは、美味しい紅茶がいつでも飲めるよう、
ガラス製の美しいティーポットを購入し、
一人暮らしの彼の家に持ち込んだ。
お皿やお鍋も持ち込んだ。
彼は、料理をしないので。
紅茶と食器と元カレと。
一緒に、幸せな時間を、たくさん過ごしたね。
だけど、別れはいつも突然で。
サヨナラを切り出したのは、アタシの方だ。
綺麗に別れたつもりだけど。
数日後、アタシの家に、大きな荷物が送られてきた。
それは、今までアタシが彼の家に持ち込んだ、大量の食器や鍋の品々。
小さな手紙が添えられている。
「大切な物だと思うので、返却します」
ホント、捨ててくれればいいのにね。
だけど。
確かに、アタシは、食器やカトラリーが大好きで。
返却されてきた品々も、ちょっとした大切なコレクションである。
でも。
あれ?
紅茶用のティーポットだけがない???
アイツ。
食器は全部返したくせに。
ティーポットだけは、クスねたようだ。(笑)
アタシが別れを切り出した時には、すんなり受け入れたくせに。
アタシを簡単に手放したくせに。
ティーポットだけは、惜しくなったのかな?
未練はないが。
何だか、ムカつく。
本日のまこメシ。
今週も忙しかったので、デパ地下でお惣菜を買ってきた。
贅沢。
うまい。
そして、幸せ。
【忙しい時は、金で解決なのだよの晩酌のまこメシ。】
・ヤリイカと四川風唐揚げ
・パクチーの生春巻き
・カニカマ
・日本酒
元カレよ。
実はアタシは、大のコーヒー党なのだよ。
安心したまえ。
煌めく紅茶用のティーポットは、キミに授けよう。
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