妄想プレイ。
エアー(想像上)で猫を飼い始めた。
名前はまだない。
会社からくたくたで帰った夜、
「おかえり」よりも先に「ボクのご飯は?」と鳴いてきて、
透明なしっぽを、ぱたぱたと揺らすんだ。
休みの日には、一緒に日向ぼっこもするよ。
たまにレースのカーテンが膨らんで、可愛い肉球だけが見えている。
撫でていい時間と、そっとしておく時間は、
「キミ」の気まぐれだよね。
気付けば、ソファのベストポジションも、
この部屋の空気さえも、全部「キミ」の気分次第だけれど。
エアー猫なんて、
「何やってんの」って思うでしょ?
だけど、殺伐としたアタシの世界が一瞬だけ、
猫を飼っている人特有の優しさで包まれることがあるんだ。
ソファの隅で、いない筈の空気が、ふっと丸くなる気がすると、
それだけで、あったかい気持ちになる。
だから。
しばらくは。
この見えない同居人と、
そこそこ愉しく暮らしてみようと思う。

本日のまこメシ。
エアー猫のご飯は。
きっとアタシの餌(えさ)よりも高い。
【エアー猫に叩き起こされた本日の朝食のまこメシ。】
・卵サンド
・ポタージュスープ
・牛乳
・ヨーグルト
・苺

エアーで猫を飼い始めた。
だけど、ホントは、いつか本当に猫を飼うのが夢なんだ。
今は、賃貸だしな。
お金もないもんな。
平日は会社に行ってしまって、
淋しい想いをさせちまうしな。
だけど、色んな意味で「余白」が出来たら、
愛情と責任を持って、いつか本物の家族としてお迎えしたいと願っている。
だけど、
だけど、
それまでは……。
「遅くなってごめんね」と謝るのはいつもアタシで、
「よく戻ったね」と見下ろすのはいつもキミ(エアー猫)の方。
だけど、キミが欠伸(あくび)をしながら、
アタシの膝を選んでくれるたびに、幸せな気持ちになれるからさ。
だから、
やっぱり、
しばらくは、
見えない「キミ」と、
まだ名前もない「キミ」と、
そこそこ愉しく暮らしていこうと思う。

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