今度は『スターブレッド』という罪なパンに出逢ってしまった。

なんでもない日常
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スターブレッド(チーズ)。


嗚呼。
また、旨いモノに出逢ってしまった。


ひとくち食べれば、もうダメだ。
ふわりと広がる幸せに、理性はすぐさま白旗を上げる。


美味しい。
とても、美味しい。


ふんわり柔らかい生地と優しい牛乳の味わいがいい。
ダイス状にカットされたチーズも良いアクセントになっている。


これはパンなのか?
それとも幸福そのものなのか?


こんなにもアタシの心をときめかせる存在が、
この世にまだ残っていたことに感動する。


けれど、同時に、胸の奥で小さなアタシが呟く。


待って。
これは幸せだけでは済まない。


なぜなら、アタシは食べちまう。
なんなら、一斤、ペロリだよ。


そして、気付くのだ。


幸せは軽やかに舞い降りるというのに、
脂肪はずっしりと居座るのだと。


嗚呼、悩ましい。
スターブレッドよ。


キミはなぜ、そんなに無垢な顔で、
アタシを丸くするのかね?


跪(ひざまず)いて、弁明しよう。


これは敗北ではない。
美味しさに対する華々しい降伏なんだ、と。

本日のまこメシ。


名誉の。


肥満(負傷)。


【ジャパンフードセレクション2026グランプリ受賞だってさの晩酌のまこメシ。】
・『マルシャン』スターブレッド(チーズ)
・グラタン(じゃがいも/サツマイモ/ソーセージ/ブロッコリー)
・トマトとアボカドのサラダ
・赤ワイン




スターブレッドを前にしたアタシは、
幸福に頬をゆるめ、
体重計には目を反らし、
それでも満ち足りた顔で言うだろう。


太るかもしれない。
でも、美味しい。


悩ましい。
でも、幸せ。


こんな終わりなき葛藤こそ、
人生の醍醐味かもしれないな。


美味しいモノに出逢ったアタシは、
今日も肥え、
たっぷり満たされ、
にこにこしながら敗北している。


それでいい。


人生はときどき、
体重計のメモリが僅かに減ることよりも、
拍手したくなる出逢いが、
確かにあるのだから。


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