映画のお仕事

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第38柱 私のおじさん神様『別れの予感』

別れの予感。 監督の部屋から、怪しげな「喘ぎ声」が聞こえてくる。大きくなったり、小さくなったり。事務所のスタッフたちは、壁から筒抜けのその「声」に、いつものようにニンマリと顔を見合わせる。 声の正体は、わかっている。監督が映画のDVD鑑賞を...
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第35柱 『足音の違い』

足音の違い。 この制作会社は、社員以外にも、数多くの方が出入りしている。カメラマンさん、音響さん、美術さん、スクリプターさん、配給会社さん、時には、出演俳優さんなど、多種多彩である。中でも、監督の右腕ともいえる男性2名は、プロデューサー・ガ...
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第33柱 私のもこり神様『経理の慶子さん』

経理の慶子さん。 慶子さん(仮名)は、元・会計事務所勤務の経理のプロである。結婚・出産後、ガガさんにスカウトされ、この映画制作会社で働いているそうだ。 色白、ふくよかで、優しい喋り方。どことなく女優の松坂慶子さんに似ている。(なので、このブ...
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第32柱 私のもこり神様『カニと監督』

カニと監督。 「カニ・チャーハンが食べたい」 ほーら、始まった。監督お得意の「ワガママちゃん」の発動だ。 今日の昼食は、駅前の中華飯店から出前をとる予定だ。メニューに「エビ」チャーハンはあるが、「カニ」チャーハンは存在しない。監督、ここは一...
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第31柱 私のもこり神様『探偵物語』

探偵物語。 「いいか、絶対、監督から目を離すなよ」 聞いたよ、ガガさん。もう、100回、聞いた。 映画制作会社に入社してから、半年が過ぎた。まこの仕事は、事務職とは名ばかりの雑用係である。毎日出勤する監督の食事の手配や、プロデューサー・ガガ...
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第30柱 私のもこり神様『男とか、女とか』

男とか、女とか。 まこの務める映画制作会社の代表は「スケベじじぃ」いや「監督」が務めているが、実際に事務所を切り盛りしているのはプロデューサーのガガさんである。(ガガさんの容姿等については、第24柱 私のもこり神様『プロデューサー・ガガ。』...
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第29柱 私のもこり神様『ゆけ!下僕道』

ゆけ!下僕道 「映画」を、そして「映画人」をもっと知りたい。まずは、まこの雇い主である「監督」の作品から観てみよう。 前にも記述したが、実は、監督は国内外の映画祭でも高く評価されるほどの大巨匠である。映画界に飛び込み50年、映画一筋の道を歩...
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第28柱 私のもこり神様『野蛮人、それは』

野蛮人、それは 年間365日、ガバチョを腰にぶら下げている、カメアシの亀くん(仮名)。ある日、アタシに懇願してきた。「スカートで、椅子の上に立ってくれ。そして、下から写真を撮らせてくれ」 ちなみに、ガバチョはガムテープ、カメアシはカメラマン...
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第27柱 私のもこり神様『皮、喰う人々。』

皮、喰う人々。 一般企業から映画制作会社へ。初めての経験は、「見るもの」「聞くもの」だけではない。映画界で働く「人々」もまた、人生で初めて出会う、珍しい輩(やから)ばかりである。 朝、事務所に出社すると、床に直接、ゴロンと寝転がっている見知...
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第26柱 私のもこり神様『ケツカッチン。』

ケツカッチン。 映画制作会社(プロダクション)でのお仕事は、見るもの、聞くもの、全てが初めてばかりだった。 特に、業界用語は独特だ。その日、最初に会った人への挨拶は、朝晩に関係なく『おはようございます』を使う。『とらはとっぱらいで』と云った...