コンプレックス。

なんでもない日常
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死闘の日々。


思えば、ずっと、
天パ(天然パーマ)との戦いの人生だった。
           

雨の日や湿気のある日は、髪がうねる。
ラーメンの湯気だけで、前髪がヨレるんだ。


早起きして、綺麗にブローして出かけても、
学校に到着する頃には、残念極まりない。


テーマパークで、水に濡れるアトラクションなど、乗れるはずもない。
何なら、人相まで変わっちまうからな。


まさに、天パとの死闘の日々。
青春と呼べる時期の半分は、ヘンテコリンな髪形だったと思う。




社会人になってからも、
本当は、仕事帰りに、華やかな街に繰り出したかったのに、


自分の髪型に自信が持てず、
足早に家に帰ったこともあったな。


ココロない卑(いや)しい男から、
「天パの女って、どうしてそんなにブサイクなの?」とニヤニヤ云われたこともある。


ねぇ、天パって、そんなに悪なの?
亡母は、「クルクルしてて可愛いよ」って、云ってくれたけどな。








そう。
天パが悪いわけじゃない。


こんなクソ男に、
云いたい放題云わせるアタシが悪いんだ。














悪いのは、アタシ自身。

本日のまこメシ。


昨日は雨。


今日は曇。


【デパ地下のお惣菜で晩酌のまこメシ。】
・韓国風海苔巻きキンパ
・とろける豚の濃厚カシス黒酢ソース
・だし巻き卵
・パクチー春巻
・日本酒(冷酒)



あれから。



研究を重ね、
時間を重ね、
努力を重ね、

もじゃもじゃ頭は、卒業した。




信頼できる美容師さんと出逢い、
髪質に合うシャンプーやコンディショナーと出逢い、
優秀なドライヤーやアイロン機器と出逢い、

少しだけ、自分の髪に自信が持てる「アタシ」に出逢えたんだ。





コンプレックスを克服した?
違うよ。
コンプレックスは武器になるんだ。


だいいち、アタシは、天パが嫌いなわけじゃない。


青春と呼べる時期の半分は、ヘンテコリンな髪形だったけれど、
残りの半分は、ふわりとブローし、楽しんでたもん。



実は、コンプレックスだと思っていることが、
自分にしかない魅力なんじゃないか?


あるいは、人より劣っていると思っているからこそ、
一生懸命、努力できるんじゃないか?







生まれ変わっても、また、天パに生まれたい。


そう云い切れる自信はないけれど。




でも、今のアタシは、


アタシの髪が好き。





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