ピンチ。
食欲の秋。
読書の秋。
そして、家計に厳しい秋が来た。
野菜が上がる。
調味料も上がる。
そして、しれっと、第三のビールも上がっている。
少し前までは、「私、ビールじゃないですし」と庶民の顔をしていたくせに。
10月になった途端、急に上級国民に進化しているじゃあないか。
堂々とするな。
まずは、価格を据え置け。
キミはもはや気軽に手を伸ばせる存在ではない。
いつの日も、「今日もまぁ、いろいろあったね」と自宅の冷蔵庫の隅っこで、静かにアタシを待っていてくれるキミが好きだったのに。
悔しい。
でも、飲みたい。
スーパーの冷蔵庫の前で立ちつくす。
悩んだ末に、購入。
ぷしゅっ。
開ける。
飲む。
うまい。
うまいのが、また、腹立たしい。
嗚呼。
疲れた大人の夕暮れを、黙って支えてくれる存在で居続けて欲しかった。
第三のビールが値上がりした。
憤慨している。

本日のまこメシ。
値上がりなんかに負けたくない。
もう、ちゃんと負けているけれど。
【次は第三のビール(発泡酒)じゃなくビールを買うよの晩酌のまこメシ。】
・怒りの麻婆豆腐
・悲しみの小籠包
・寂しさの青梗菜炒め
・苛立ちの冷やしトマト
・さよなら第三のビール(発泡酒)

嗚呼。
第三のビール。
庶民の味方。
晩酌会の副キャプテン。
優しいキミが値上がりした。
なぜだ?
いや、理由は分かる。
ニュースで見たもん。
分かるよ。
分かるけれども。
分かったから納得できるほど、
アタシは人間、出来ていない。
でもね。
値上げに怒り震えながら、
値上げ後のキミを冷やし、うきうきと待っている。
この矛盾。
この敗北。
この世は多分、
こういう小さい矛盾と敗北で出来ているのだろう。
ならば、アタシは、その矛盾と敗北を、
笑いながら飲み干してやろうじゃないか。
まぁ、難しいことは置いておいて。
取り合えず、飲んでから考えよ。

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