父の認知症が始まった。#57

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物忘れ? 認知症?


ゴールデンウィークで、実家に帰省。
前回の帰省はお彼岸(3月)だったから、少し間が空いてしまったな。


父が認知症と診断されてから、約2年半が経過。
今のところ、父は周囲の協力を得ながら、一人暮らしを続けられている。


以前と比べて、言葉が咄嗟に出てこない、動きが緩慢になったとは感じるが、
これが「認知能力の衰え」なのか「自然な老化現象」なのか、アタシには正直分からない。


単なる「物忘れ」と「認知症」の決定的な違いは、「体験した一部」を忘れているか、「体験したこと自体」を忘れているかだ。


朝食を食べたことは覚えていても、何を食べたかは思い出せないのは「物忘れ」だが、朝食を食べたこと自体を忘れているのは「認知症」となる。


今日も、父は自分で作った朝ごはんを、亡くなった母にもお供えしながら、ゆっくりゆっくり、食べている。


何だか微笑ましいからさ。


あえて、「昨日の朝は何を食べたの?」とは聞かないよ。


本日のまこメシ。


海老が高いからジャガイモでかさ増ししてチリソース炒めを作った。


ジャガイモだけでいい!

【寒がりの父に合わせて熱燗で行くよ!の実家の晩酌のまこメシ。】
・海老とジャガイモのチリソース炒め
・蒸し焼売
・チンゲン菜の炒め物
・ゆず大根
・しじみの味噌汁
・日本酒(熱燗)



最近の父の時間は、アタシとは少し違う速さで、
静かに進んでいるように見える。


昨日の事は霧の向こうに消えていっても、
遠い昔の景色は柔らかな色をまとっているみたいだ。


こうして、同じ食卓で同じご飯を食べながら、
こうして、杯(さかずき)を交わしながら、


アタシの知らない昔の父の物語を、
少しずつ聞かせて貰える時間が、アタシは好きだ。


固有名詞が出てこない日も、
曜日があやふやになる日も、


「これ、旨いなぁ」と零れる声には、
ちゃんと幸せの音が含まれている。


その一言が聞きたくて、


アタシはこうして、実家に帰ってきているんだ。



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