スマホがない!
バッグの中をざわざわと探(さぐ)る指先。
いつもの重みがそこにはない。
スマホを忘れて帰宅しちゃったみたい。
小さな相棒は、会社の机の上に置き去りだ。
普段から、大して使いこなせていないくせに。
いざ手元にないと、途端に不安な気持ちになる。
もしかしたら、大事な連絡が来ているかもしれない。
繋がっていたはずの世界が、今は遠く、手の届かない場所になっちまった。
スマホを忘れた。
ただ、それだけなのに。
こんなに心細くなるなんて。
分かりきったことだけれど。
今や、スマホは、生活に欠かせないツールである。
連絡したり。
調べたり。
人によっては、お財布で。
個人情報の塊(かたまり)である。
嗚呼、明日の朝が待ち遠しい。
一番乗りで会社に転がるように向かいたい。
そして、何より、アタシが一番困ったことは。
スマホの「目覚まし機能」が使えないことだ。
断捨離で、目覚まし時計は捨てちまったし。
明日は、どうやって、起きればいいのだろう?
仕方ない。
目覚まし機能の代わりに、キミにその大役を任命しよう。
きっちり7時間後に起こしてくれたまえ。
炊飯ジャーの予約焚き。

本日のまこメシ。
ピー、ピー、ピーッ!
おはよう、炊飯ジャー。
【なので必然的にお弁当持参のまこメシ。】
・手作り弁当
・東映太秦映画村『忍者手裏剣サブレ』
・お茶

いつもは、画面越しにチェックする天気予報も、
今朝は、窓を開け、空を見上げてみる。
一点の曇りもない青い空。
冷たいけれど澄んだ空気。
少しだけ気取った雀たち。
目の端に映る可愛い小学生たち。
時には、立ち止まって、意識的にスマホから離れることも大切だよね。
思わず笑みが零れる。
これは、新しい発見の予感?
不安でざわついたココロも、次第に静けさを取り戻す。
ふと、遠い記憶の歌が、頭の中で響き渡る。
忘れていた大切な何かを、
思い出したみたいに。

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