いくつに見える?
職場の女性が、
ふいにアタシにこう尋ねてきた。
「ねぇ、私、いくつだと思う?」
60歳。
そう答えそうになり、慌てて、口を噤(つぐ)む。
「いくつに見える?」と聞いてくる人は、
大抵、自分は実際より若く見えると信じているからだ。
ここは、「50歳くらい?」と云うのが正解なのか?
いやいや、万が一、50歳以下だった場合、アタシの職場が修羅場と化す。
面倒くせぇ。
いや、いっそのこと、寸分違(たがわ)ず、当てに行っちまおうか。
心の中で葛藤し、
絞り出した言葉は。
「いくつかは分からないけど、綺麗ですよね。憧れます」
アタシは。
正しさよりも、優しさを選ぶ。
本日のまこメシ。
今日も残業。
セブンイレブンに頼る。
【玄関開けたら10分で晩酌の最高に幸せな晩酌のまこメシ。】
・『セブンイレブン』金のハンバーグ
・『セブンイレブン』こうじ味噌マヨネーズ入り 野菜スティック
・アボカド
・赤ワイン
【広告:スマホ専用 ⇓ 】
以前、親の農業を継いだ友人が、
ぼそり、アタシに云ったことがある。
「オレの爪、汚いだろう? ちゃんと洗っているけど落ちないんだよ」
「これじゃ女の子に嫌われちゃうよな」
働き者の彼の手は、
確かに、指先や爪の内が土色になっていた。
毎日、心を込め、魂を込め、
イキモノと真っすぐに向き合っているのが、よく分かる手だ。
「いや、あんた、最高にカッコいいよ」
「真剣に働く男の手じゃあないか」
これ、優しさ?
違うよ。
むしろ、正しさ。
コメント