父の認知症が始まった。#28

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まだらボケ。


父の認知症の種類は、「脳血管性認知症」。
加えて、「アルツハイマー」も少し出ているそうだ。
(認知症の種類については、父の認知症が始まった。#13を参照)


「脳血管性認知症」の特徴は、
脳がダメージを受けた部分の機能は低下しているが、
ダメージを受けていない部分の機能は、健在なまま。


つまり、全てを理解出来なくなったわけではなく、
「まだらボケ」の状態なんだ。


父の場合、計算能力や言語能力はダメージを受けたが、
判断力、遂行能力は保たれているという感じ。


最新ニュースを見て、政治・経済について語っているし、
ゴミ出しの曜日や出し方も熟知している。


が、支払いの際に、お札を出すことが増え、家の引き出しの中には、小銭が貯まっているし、
会話の途中で固有名詞が出ずに、「あれ」「ほれ」「なんだ」を連発しているんだ。


今日も、姉の旦那さんの名前が出てこなかったようで、
もごもご云っていた。


「ほれ」

「あの」

「なんだ」

「太郎じゃなくて……」

















父よ。


太郎は、犬の名だ。








むしろ、天才。

本日のまこメシ。


父は。


ヤクルトレディの来る日も、絶対、忘れない。

【わざとじゃねーか?の父と晩酌の実家メシのまこメシ。】
・酢豚
・小松菜のお浸し
・油揚げのカリカリ焼き
・冷やしきゅうり(金山寺味噌添え)
・ホタテの握り
・桃
・ビール




失われた脳の機能もあれば、
保たれている脳の機能もある。


まだらボケ。

これは出来るけど、あれはもうよく分からない。
なんだっけ?
もういいや。

実は、父が、一番、自覚しているように思えるんだ。



言葉には出さないけど、
様々な症状が、行きつ戻りつ、少しづつ進行していくことを、
自分が一番理解しているように感じている。


それって、
怖いし、
悔しいだろうな。


本当は、こんなこと、口にしてはいけないのだが。
むしろ、全部、分からなくなってしまった方が幸せなのか?


分からない。


分かりたくない。

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