どうする? 家と土地。
一人暮らしの父の認知症が発覚し、
「実家の家と土地はどうするのか」と家族会議を始めたアタシたち。
そんな矢先。
2024年4月1日から、「相続登記の義務化」が始まると聞いたんだ。
そうぞくとーきのぎむか?
何やねん?
よし。
少しだけ、勉強しておこう。
「相続登記の義務化」とは、
「空き家問題」や「所有者不明土地問題」を解決するために施行される法律である。
不動産を相続したことを知ったときから3年以内に登記しなければ、
10万円以下の過料を求められる、ということのようだ。
現在は、相続登記を申請するかどうかは相続人の「任意」とされているが、
2024年4月1日から、「義務化」されるのだが。
ははん。
姉が、「いずれは、実家に帰ってくるの?」と、突然、アタシに尋ねてきたのは、
この義務化が始まるせいだったんだな。
姉に聞いたら、やはり、ビンゴ。
この制度が始まったら、すぐに、相続人を決めないと、
罰金をとられると思っていたようだ。
しかし、姉よ。
安心してくれたまえ。
我が家の場合で云うと、
「父が亡くなってから」3年以内に相続登記を行えば、過料は発生しないのだ。
そして、また、
WEB申請も出来る「相続人申告登記」というお助け制度も新設されるのだよ。
複雑な「相続登記」は後回しにして、
取り敢えず、この「相続人申告登記」をしておけば、「義務」は果たしたことになるそうだ。
とにかく。
今すぐに、誰が継ぐのか、この家をどうするのかを決めなくても、
問題ナシナシなのである。
とは云え。
分かっているよ。
結局、
いずれは答えを出さなくてはならないことを。
アタシが、実家に戻るかどうか。
どうしたいのか?
また、答えを先延ばしにして、ホッとしているのは、
アタシだけなんだ。
本日のまこメシ。
父曰く。
「よく聞け。オレは、まだ、生きてるぞ」
【お彼岸で帰省中の実家のまこメシ。】
・お餅と野菜のはりはり鍋
・青梗菜とエビの炒め物
・生シラス握り
・ほうれん草のお浸し
・ビール
・ポンカン
ところで。
家と土地について。
父は、どう思っているのか、聞いてみた。
「お父さんは、やっぱりこの家に、アタシとか、誰か家族に住んで欲しいよね?」
「そうだな……」
お酒で少し高揚したのか、
思いのほか、明るい声で、父が云った。
「まぁ、そうしてくれれば一番いいけど、二人(姉とアタシ)で話し合って、住んでも売っても、好きにしていいぞ」
嗚呼。
結局、まだ、答えは出そうにないな。
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