スピリチュアル

スピリチュアル

第62柱 『福の神と貧乏神』

貧乏神。 オイラは貧乏神。 痩せっぽちで、ボロボロの服を着て、皆に嫌われ者のオイラだが、れっきとした「神様」だ。 あちこちから追い払われ続け。流れ流れて、今は「まこ」という名の女の家にいる。 四角い部屋を、丸く履き。たまに、燃えるゴミを出し...
スピリチュアル

第61柱 私のあねご神様『目に見えないもの』

三代目。 「酒の一滴は、血の一滴!」 いつものフレーズを叫びながら。グラスを逆さまにして、最後の一滴まで、己(おのれ)の舌に流し込んでいる女性がいる。 彼女は、活動写真プロデューサー。創業100年を超える老舗映画社の三代目だ。1910年(明...
スピリチュアル

第60柱 私のあねご神様『夢を追う人』

夢を追う人。 映画に携わる会社で仕事をしていると。たくさんの「卵」たちが、アルバイトとして訪れる。 監督の卵俳優の卵脚本家の卵などなど。 彼らは、アルバイトをしながら、自主映画を制作したり、小さな舞台に出演したり、作品をコンクールに応募した...
スピリチュアル

第59柱 私のあねご神様『好きな人、嫌いな人』

映画祭。 その頃。ある映画祭で、「日本映画の旧作」部門を担当する事となった。 それまで、邦画の旧作を、殆ど観たことがなく。最初は、「え? クラシック映画のどこが良いの?」と思ったが。いやいや。日本映画が娯楽の頂点に君臨していた1950年代頃...
スピリチュアル

第58柱 私の母さん神様『出逢い』

出逢い。 その頃。映画界で2度目の転職を果たしてから、数年が経過していた。 仕事量も多く、変わった人も多い業界だが、花子先輩やあしながさんなど同僚にも恵まれ、毎日が新鮮で、充実した日々を過ごしていた。(花子先輩は第43柱『一匹狼』、あしなが...
スピリチュアル

第57柱 となりのお不動様『凄い霊能者③』

母の願い。 「今のところない」お不動様が、シラと告げる。 「して欲しいことは、特にない、と云っている」 え? そんな。お母さん!私にして欲しいこと。なにか、あるでしょ???例えば……。少し考え込んでから。心の奥に引っかかっていたあの質問を。...
スピリチュアル

第56柱 となりのお不動様『凄い霊能者②』

何が視えているの? となりの里のお不動様は。とにかく、摩訶不思議なり。 過去も未来も視えているのか?あるいは、人の心が読めるのか?どうあがいても、本人以外、知り得ないことも。お不動様は、はっきりと捉えてているようだ。 最初に、まこが尋ねた質...
スピリチュアル

第55柱 となりのお不動様『凄い霊能者①』

霊能者に会いに。 昔、北関東のある里で。凄い霊能者に出逢ったことがある。 人呼んで「お不動様(おふどうさま)」。となりの里に住む、霊媒師を生業(なりわい)にする方である。 それは、突然、母を事故で亡くした頃のことだ。(詳しくは、第9柱 私の...
スピリチュアル

第54柱 アナザーおじさん神様『八方美人』

八方美人。 「キミは、八方美人だね」いつも優しいEさんが。珍しく厳しい顔をして、まこに告げた。 「八方美人じゃ、仕事は上手くいかないよ」 Eさんは60代男性。映画界の重鎮で、まことは別の会社に勤務している。ほっこり見た目や、優しい喋り方が、...
スピリチュアル

第53柱 私のあねご神様『達人』

差し入れの達人。 映画業界に再就職してから、数年が経過した。 少しづつ仕事にも慣れ。この土地にも慣れ。仲間にも慣れ。 まだまだ勉強中の身であることに変わりはないが。充実した、楽しい毎日を送っていた。 たまには、泣きたくなるような残業続きの日...