日常

なんでもない日常

断捨離したくて、家中の扉を開けてみた。

扉。断捨離しようと思って、家中の扉を全部開けてみた。クローゼットの扉を開けると、「いつか着るかも」の服たちが、肩を落としながら、まだここにいてもいい理由を、喚(わめ)き散らしていた。食器棚の扉を開けると、人数分をとうに超えた皿たちが、もう訪...
ああ、腹立たしい。

不本意ながら、一度キレてみた。

職場にて。不本意ながら、一度キレてみた。いつものように笑顔でやってあげれば、丸くおさまることは分かっていたけれど。今日だけは、喉の奥につかえた「イヤだ」が、勝手に口から出ちまったんだ。空気を読むために、何度も踏んだブレーキは、もうとっくに擦...
なんでもない日常

どうせまた悪が勝つんでしょ?

最後に善は勝つ?アタシの職場は、狡(ずる)い人ばかりが得をして、良い人ほど損をする職場である。卑怯な人が獲得し、優しい人は奪われたままだ。善意でやったことは、いつのまにか「当たり前」に変わっていく。責任はいつも真面目な人の肩にだけ落ちてくる...
なんでもない日常

ヤクルト1000とアタシ。

ヤクルト。ボクの名前は「シロタ」。これから、数えきれない仲間たちと旅に出る。合言葉は、「ちゃんと腸まで届きますように」。互いに頷(うなず)き合い、さぁ冒険へと出発だ。キミが蓋を開けた瞬間、ボクたちの世界は一気にひっくり返る。ぬるくて長いトン...
なんでもない日常

なんかよく小銭を拾うんだけど。

小さなお金。なんかよく小銭を拾うんだけど。今日も、また、信号待ちの足元で小さく光る一円玉を、服従するように跪(ひざまず)き、うやうやしく拾い上げた。昨日は、誰もいない駅の階段で、その前は、よく行くスーパーの前で、腰を曲げ、深々とお辞儀するみ...
なんでもない日常

ふ。

ふ、とした瞬間。ふ、と灯りを消した後に、言わないほうが良かった言葉と、言って欲しかったひと言が、胸の中でぶつかっていく。ふ、と浮かんだ後悔たちは、枕元の影にまぎれながら、眠れない夜を長引かせている。ふ、と夜の闇に叫びたくなって、飲み込んだ声...
なんでもない日常

さぁ、ハリー・ポッターに会いに行こう。

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』(ネタバレなし)今さらだけどさ。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観に行った。2022年に開幕した大人気の日本公演も、ついに、2026年12月27日で千秋楽を迎えるそうだ。鼻息荒く、ここ、TBS赤坂ACT...
なんでもない日常

気付くと、結婚式よりお葬式に出席することが増えた。

見送る人。静かに流れる時の河(かわ)。気付くと、「結婚式」より「お葬式」に出席することが増えた。かつては、白いドレスの花嫁を、無数の拍手で見送ったのに。今は、黒い喪服の群れとともに、深く頭を垂れ故人を見送っている。結婚式は、始まりの喜び。お...
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春を見つけに。

春の使者。春を探して、街を歩いた。雲を超えて、風を散らし、雨を抱いて、遠くまで歩いた。いつの間にか、日の出は早まり、日没は遅くなっている。植物は芽吹き、桜は生き生きと咲き誇っていたよ。街には、卒業式とか、入学式とか、新生活の始まりを思わせる...
なんでもない日常

使わなくてよい言葉の詩(うた)。

言葉の刃。人には、生涯、使わなくてよい言葉があると思う。ココロに刺さる刃(やいば)のような、誰かを責める攻撃の言葉。虚偽を重ねる嘘の山、真実を隠す歪(ゆが)んだ言葉。相手の価値を奪い去る、勝手に決めつけた粗雑な言葉。深く語らず響くことなく、...