寿命。
最近、父の「手先の震え」が酷くなってきた。
気付くと、細やかに、リズミカルに揺れている。
嗚呼。
昔、近所のお爺ちゃんたちは、皆、そうだったなと、感慨深く思い出す。
医学的には、「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」と呼ばれ、
老化と共に顕著に見られる現象のようだ。
震え以外に症状が見られない場合は、
高齢者にはよくあることなので、あまり心配はいらないそうだが、
もし、これが、
認知症に伴う手足の震えや麻痺などの「運動障害」だとしたら、怖いな。
一般的に、認知症は寿命を短くすると云われている。
個人差はあるが、認知症患者の寿命(余命)は、発症から5~12年と云われているそうだ。
自身の震える手を見つめ、
父が、ぽつり、呟いた。
「寿命だな」
本日のまこメシ。
永遠の命なんて。
欲しくはないけれど。
【長生きはしたいし、して欲しいの晩酌のまこメシ。】
・塩唐揚げ
・ほうれん草のお浸し
・ゆば豆腐
・キムチ
・ビール
人間は、年齢を重ねれば心身機能が老化していき、やがて死を迎える。
知ってるよ。
これは、誰もが避けては通れない道なんだ。
だけど、誰もが辿る道だからこそ、
自分らしく、人間らしく、最期を迎えたいものだろう。
現代医療では、認知症は治らない。
分かっている。
だけど、次第に衰えていく父を前に、
こう願わずにはいられない。
どうぞ、治りますように。
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