オフィスの移転。
会社の引越しって、体感では災害レベルのイベントに近い。
捨てるモノ、買うモノの振り分け。
新オフィスを想像しながらの梱包と開梱。
移転の登記申請、金融機関、通信・IT関連等の各種手続き。
関係者へのご案内、ホームページの更新などなど。
これらの全てを日常業務を遂行しながら、
完璧にこなさなくてはならない。
ダンボールに「重要書類」って書きながら、
自分のココロの余裕をどこにしまったのか分からなくなっている。
「これ、捨てていいですか?」
「いや、一応とっておこうか」
上司のその「一応」が積み重なって、
トラック一台分の「未練」になる。
ガムテープ片手に走り回りながら、
アタシの「気力」と「腰」は、いつまでもつかと不安になる。
それでも最後のダンボールを運び終わって、
ガランとした旧オフィスを振り返ると、
あの時の残業も、
あの時のため息も、
全部ここに置いていけるような気がして、
スッキリとした気分になった。
「旧オフィスさん、ありがとう」
ココロの中で挨拶をして、小さく頭を下げる。
そして、新オフィスでもまた云うだろう。
「これからよろしくね、新オフィスさん」
ところで。
アタシのやる気の入ったダンボール、どこにしまいましたっけ?

本日のまこメシ。
さよなら。
日本橋。
【最後は『たいめいけん』でのランチのまこメシ。】
『たいめいけん』
・魚介ミックスフライ(ライス付き)
・ボルシチ(100円)


混乱は、新オフィスでも続いている。
床にはダンボールの山。
箱の中からは謎のコード。
「このLAN、まだ生きてます?」
誰も知らないまま、とりあえずそっと箱に戻される。
それでも、空になった箱が一つずつ増えるたびに、
アタシの中にも、ちょっとだけスペースが空いていく。
旧オフィスに置いてきたのは、
壊れかけのキャビネットと、我慢とストレス。
新オフィスで手に入れたのは、
新しい机と椅子と、なんの根拠もないくせに期待と希望だ。
そして、まだアタシの横で山のように積まれたダンボールたちを横目で見ながらそっと呟(つぶや)く。
「今日のところは、見なかったことにしよう」
後は、明日のアタシによろしく引き継ぎました!

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