スピリチュアル

第82柱 『強くなれ』

強くなれ。あれから、すぐに「退職願」を書いた。会社を辞めるつもりなど、微塵もない。だいいち、本当に辞めるべきなのは、ハラスメントをしているアク部長の方だ。退職届は、お守りだ。次に何かあったら、いつだって、アク部長の鼻先に叩きつけてやる。アク...
なんでもない日常

魔女の一撃。

魔女の一撃。そりゃあ、もう、張り切って。会社で、片付けをしていたら。背中を「ピキッ!」と小さな電流が走る。ヤバい。「魔女の一撃」を喰らっちまったようだ。「魔女の一撃」とはドイツ語で「ギックリ腰」を意味する。中世から使われている表現らしいが、...
なんでもない日常

心を近づけることは出来るけれど。

心を近づけることは出来るけれど。心を近づけることは出来るけれど、アナタの辛い辛いその気持ち。全く同じにはなれそうにない。同じ心の人など、あろうはずもないし。気の利いた言葉も云えないけれど。だけど。アナタに幸せになって欲しいのは、本当だから。...
スピリチュアル

第81柱 『笑いの神様』

未遂。一人、白い壁を見つめていた。西向きのアタシのお部屋。カーテンを閉め切りにすると、いつ日が昇り、いつ日が沈んだのか、いつが今日の終わりなのか、全くわからない。あれから、部屋で一人、ずっと考え込んでいる。一方的に、怒鳴られ、罵倒され、叱責...
スピリチュアル

第80柱 『畜生』

畜生。全治2カ月。肉離れの中では、結構、重症らしい。だけど、病院で、松葉づえを2本借りられた。大丈夫、これがアタシの足になってくれる。翌朝、会社へ出社し、まずは、経理の慶子さんや仕事を変わってくれた同僚たちへ詫びた。皆、色んな思いがあるだろ...
スピリチュアル

第79柱 『SOS』

SOSアタシが、足を怪我しようが。アク部長が、逃げてしまおうが。目の前の仕事が消えてなくなるわけではない。誰かがやらなければ、それは結局、後でアタシの首を絞めあげるだけだ。よし。やるしかない!まずは、最も信頼している経理の慶子さんへSOS。...
スピリチュアル

第78柱 『敵』

目に見えない敵。あの忌まわしい事件が起きたのは。「コロナ感染症」が、世界中を混沌に陥(おとしい)れ始めた頃のことだ。コロナは、アタシ達の生活様式を大きく変えてしまい、在宅勤務やリモートワークを余儀なくされ、アタシは、それに対応できるシステム...
スピリチュアル

第77柱 『そして、皆、いなくなった』

そして、皆、いなくなった。アク部長が就任してからというもの。スタッフの入れ変わりが、激しくなった。(アク部長については、第69柱 『悪魔が上司になるなんて』参照)この短期間だけでも。出向者は、精神科へ通い始めた者・1名、理由をつけて本社に戻...
なんでもない日常

モヤモヤ、一つ消えた。

モヤモヤ、一つ消えた。モヤモヤが溜まっていた。「それは違うのでは?」と思っても、相手に遠慮して、自分の意見が云えられなかったからだ。だけど、先日、思いきって伝えてみた。そしたら、相手はあっさり受け入れてくれた。なーんだ。一体、アタシは、今ま...
なんでもない日常

あの頃のアタシは。

あの頃のアタシは。あの頃のアタシは。ある仕事で初めてプロデューサーを任されて、鼻息荒く、とにかく一生懸命だった。だけど、経験も、才能もない、ただの未熟者で、結果、泣かず飛ばずの有り様で。打ち上げもない帰り道。深々と頭を下げ、スタッフ達を見送...