健康と快楽の狭間で。
ラーメンは、美味しい。
それは、もう、反論の余地もないほどに。
きらきら光るスープ。
湯気の向こうに見える麺。
堂々と鎮座するチャーシュー。
まあるい顔したとろける煮卵。
それは、人類が愛すべき至高の逸品である。
だけど、アタシは知っている。
この一杯の向こう側に、塩分と脂質とカロリーという刺客たちが潜んでいることを。
天使の顔で近づいてきて、
健康診断の紙で殴ってくるんだ。
高血圧のアタシにとっては、もしかすると、
「最も死に近い」食べ物かもしれないね。
だけど、食べる。
ああ、食べますとも。
そして、ひと口すすったその瞬間、いつもこう思うのだ。
嗚呼、ここが天国か……。
人間とは、なんと滑稽な生き物なのだろう。
さっきまで命の危機すら感じていた相手を、思わず拝んでしまう。
罪深いのに、愛おしい。
避けているくせに、近づきたい。
好きと嫌いの狭間で。
揺れるアタシ。

本日のまこメシ。
そして、また。
暖簾(のれん)をくぐる。
【だって旨いんだもののランチのまこメシ。】
『麺屋 NOBUNAGA』
・NOBUNAGAラーメン

好き。
でも、嫌い。
嫌い。
でも、好き。
深夜23時11分に、
まるで、別れた恋人を思い出しているみたいだ。
アタシの理性を敗北させ、
アタシの舌を喜ばせ、
アタシの血圧にじわじわと攻め立ててくる憎きアイツ。
そして、たぶん、
アタシは、また会いに行ってしまうのだろう。
レンゲを持つ手に少しの罪悪感。
胸には満杯の背徳感。
でも、顔には隠し切れない幸福感。
健康と快楽の綱引きに、あっさりと負けるアタシ。
そして、今日もまた、
全てを失う覚悟で、スープを全部、飲み干してしまった。
ラーメン。
アーメン。
すまん。
明日のアタシ。

コメント