遠い日のバレンタインデー。
小さな蕾(つぼみ)も、いつか花開くと信じていたよ。
甘い香りは、遠い記憶。
あの日、放課後の体育館で、
ひとり、キミを見つけた。
胸の高鳴り。
切ない片思い。
勇気がなくて、渡せなかったチョコレート。
ほろ苦い想いが、少しだけ甦(よみがえ)る。
恋愛とか、付き合うとか。
本当の意味さえ、分かっていなかったあの頃。
だけど、真っすぐな想いだけは、確かにそこにあった。
締め付けられるような想いも、初めて知ったよ。
今年もバレンタインデーがやって来て。
あの頃よりは、恋の温度を知っているのかもしれないけれど。
だからこそ、
あんな風に真っすぐに。
心を震わせながら、
誰かを追いかけることは、もうないだろうと思う。
さよなら。
バレンタイン。

本日のまこメシ。
今は、自分のためのバレンタイン。
白ワインとともに。
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・『ダンデライオン』生チョコレート
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あんな風に純粋に、誰かを想うことは、もうないだろう。
寂しいけれど、でもそれが、少しだけ「楽」なのだと知っている。
あんなに真っすぐに、誰かを目で追っていたのに。
あんなにバカみたいに、誰かの明日を願っていたのに。
もう、相手の呼吸の速さに、自分の心音を重ねたりしない。
掌(てのひら)に残った熱が、少しづつ冷めていく。
見返りばかりを期待してしまう。
小賢(こざか)しい計算ばかりしてしまう。
賢くて寂しい大人になっちまったな。
それは、きっと。
傷つくことを知ったから。
今年の冬も、そろそろ終わる。
春はもうすぐそこに隠れている。
深い雪が溶けて消えたなら、
そこには、小さな蕾があるだろうか?
甘い香りが、
未来にもあると信じて。

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