危険なパワースポット。
先日、車の免許の更新で、
東京・神田の免許センターを訪れた時のことである。
絶望的に、
方向音痴のこのアタシ。
案の定、地下鉄・大手町駅を出てから逆方向へと向かい、
ここを右に曲がれば到着する筈と、ひとり、とぼとぼ歩いていたんだ。
その日は、すごく寒くって、
天気予報でも、風は強いと云ってはいたけれど。
どどどーーーっ。
これ、風?
コートが風を孕(はら)み、一歩も前へ進めない。
ぼぼぼーーーっ。
いやいや、もはや、風じゃない。
分厚い掌(てのひら)で、「帰れ!」と押し戻されている感じだ。
一旦、ビルの陰に避難。
ハタと周りを見回し、あれ? 逆方向に向かっていたぞと、気が付いたのである。
後で、家に戻って、地図を見直してから気が付いた。
あのまま進んでいたら、
アタシが辿り着いたであろう場所は、
「平将門(たいらのまさかど)の首塚」。
東京随一のパワースポットであり、
出世のご利益があると足繁く訪れるビジネスマンもいる一方、
首塚を取り壊そうとした者達が、
次々と不審な死や、不幸に見舞われるという「いわくつき」の場所である。
アタシは、一生、行かないと決めていた場所だ。
素人が気軽に訪れてはいけない。
怖れと崇敬を放つ、あまりにも強過ぎる場所だから。
あー、風が吹いてくれて良かった。
ところで。
アタシを押し戻してくれた、あの冷たい掌(てのひら)は、
いったい、誰のモノだったのだろうか?
本日のまこメシ。
免許センターで撮った顔写真がホラー。
いつものことだけれど。
【慰めの鍋焼きうどん(あっつあつ)のランチのまこメシ。】
・鍋焼きうどん
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実は、神田免許センターに行った後、
「神田明神」に、初めて、立ち寄ろうと思っていたんだ。
だけど、急にお腹が痛くなり、
慌てて予定を変えたんだ。
これも後で調べたら、
神田明神で祀られているのは、平将門、その人じゃないか!
しかも、嘘か誠か、
平将門と敵対した関係にある人が神田明神に行くと、祟りを受けるという。
平将門を討伐した人は、藤原秀郷。
アタシの家の家紋は、「藤紋」である。
悪戯に、迷信ばかりを信じ、
自身の行動範囲を狭める必要はないが、
アタシは、自分の勘を信じたい。
心が「行かない方がいい」と叫ぶ場所は、訪れない方がいいと思うんだ。
「触らぬ神に祟りなし」なんだ。
つづく。
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