占いの館。
「黙って座ればピタリと当る」
そんな謳い文句に惹かれ、
昔、大阪旅行中に、とある「占いの館」をフラリと訪れたことがある。
沢山ブースがあるけれど、
ピンと来たんだ、
一番地味な「あの人」を、選んでみたのだよ。
「あの人」は、アタシの手相をジッと見つめている。
気のせいかな?
軽い眩暈(めまい)を感じたんだ。
「あなた、長女ですね?」
「いいえ」
「でも、家を継いでいませんか?」
「いいえ」
「じゃあ、起業されてますね?」
「いいえ」
「ふーん。あなた、もしかしたら、離婚するかもしれないわ」
「結婚もしてません」
「恋人とは別れるかも」
「いません」
「あなた、実は寂しがり屋でしょ?」
「いえ、一人が好きです」
「でも、人と話すのは好きよね?」
「いえ、人間嫌いです」
「あなたAB型で……」
「違います」(喰い気味で)
ここまで不正解を叩き出す占い師に初めて出逢った。
アタシの中では、紛れもなく「伝説の占い師」となる。
「あなた、南の方の生まれでしょ?」
「北関東です!」
本日のまこメシ。
100% ハズすのも。
奇跡。
【それはそれで愉しかったの晩酌のまこメシ。】
・焼き鳥盛合せ
・野菜サラダ
・キムチ
・日本酒(冷酒)
先日、面白半分で、近所にある小さな占い処に行ってみた。
きちんと学問として占いを勉強されている、れっきとした占い師さんである。
アタシは、会社員。
仕事は順調だが、これからは、もう好きなことだけして暮らしたい。
思い切って会社を辞めたいのだが、と相談してみた。
どうせ中庸なことしか云わないよね、と心の中で思いながら。
「占いではなく、現実問題、皆、生活をしていかなくてはなりません」
「だけど……」
占い師は、真っすぐにアタシを見つめ、潔(いさぎよ)くこう言い放った。
「占いでは、あなたは直感で動く方と出ています」
「風の時代です。おやりなさい」
当たるも八卦、当たらぬも八卦。
この人を、伝説の占い師に出来るか出来ないかは、
きっと、アタシ次第だ。
つづく
コメント