平成生まれの営業くん。

なんでもない日常

平成生まれの営業くん。

先日、会社のパソコンを購入する際に、OA機器商社から、平成生まれの営業くんがやって来た。
入社3年目、25歳とのこと。
営業職特有の「売ってやるぞ」というギラギラ感もなく。
スラリとした清潔感溢れる好青年だ。



昭和生まれのまこさんとしては。
今すぐ、契約書に印鑑を押してやってもいいぞ。(←まこ・心の声)


いやいや。
取り敢えず、説明くらいは聞いてからにしましょうか。


「私、あまりパソコンの事とか詳しくないので、初心者向けの言葉で説明していただけますか?」

ホントは、基本的な知識はあるけれど。
IT用語は難しく、プロの前で、知ったかぶりするのも、イヤなので。
ここは、一応、初心者のふりして聞いておこう。


「わかりました。大丈夫ですよ。女性の方は、パソコンとか苦手な方が多いですよね」

うっ。優しい。
はーい、契約成立。
なんなら、他にも買いましょうか?


戦後の方ですよね?


いくつかカタログを並べながら。
営業くんが、不意に尋ねてきた。



「失礼ですが、まこさん、戦後の方ですよね?



へ?
営業くん、今、なんて?




「え。だから。まこさんって戦後の方ですよね?」







聞き間違いではない。

戦後の方。

確かに、ヤツはそう云った。






「え? あ、はい。『前』か『後』かと言えば、『後』ですけど……」

動揺しているまこをよそに、さっそくパソコンの説明に入る営業くん。



「こちらのパソコンは、戦後の方でも、使いやすい仕様になってまして……」

愚かさの微塵もない真剣な顔の営業くん。




でもさ。
言葉のチョイス、間違ってないか???


戦後って。


「戦後の方」って……。
どういう意味で使っているのだろうか?

単純に、終戦より「後」に生まれた人、全員ってこと?
だったら、営業くん、オマエも「戦後」の人になるぞ。


それとも、最近の若人の言葉で、「戦後の方」は「イケてるね」を意味するとか?
(そうであってくれ!)



いや。

まさか。
テメー。

まこが終戦の「前」に生まれたのか「後」に生まれたのか。
それすら、疑ってたってことか?

確か、もうすぐ、戦後77年だよね?

77歳より上に見えるのか???
だから、わざわざ「戦後の方ですよね?」と念を押したのか?!




それでも。
まこの戸惑いに気づかず、喜々として説明を続ける営業くん。




もう、ダメだ。
全く、説明が頭に入ってこない。
「戦後」の破壊力、半端ない。






だいいち「戦後」ってさ。

まこの中では、



こういう感じや……







こんなイメージなんですけどっ!




キサマ。

まこが、「闇市」の中で育ったと思っているのか?

「ギブ・ミー・チョコレート」と叫んでいたと、思っているんだな?







ニャロー。

も、もう……。






















帰ってください!





平成生まれの営業職の諸君。

昭和生まれの顧客に対して。

言葉のチョイスは、くれぐれもお気を付けあそばせ。

コメント

  1. きょん より:

    HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!HA!
    笑いが止まらん!!!助けてくれぇ~~~~~~~~~~~~~~!
    体が震えて、笑い堪えるの大変!です。
    令和生まれのコになったら、私化石になんのかなぁ?