スピリチュアル

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第49柱 『男の事情』

運命の女。 「男は結婚した後に、運命の女に出逢うものなんだ」 少し芝居かかった声で、50代・Aさんが語り出す。周囲の男性陣が、皆、一様に「うん、うん」と頷いているのが、やけに可笑しい。 今日は、会社の飲み会で、アタシ以外は、6名中5名が既婚...
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第48柱 『女の事情』

漏れてますよ。 「彼、もしかして、妻子持ち?」 直球勝負で聞いてみる。素直な瑠璃子には、変な小細工は不要だ。 すると。「能面」だった瑠璃子の顔がするすると赤くなり、「人の顔」に変わる。そして、大きく目を見開き、怒ったようにアタシに問い質(た...
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第47柱 『心の声』

心の声。 「奥さんだけならね、アタシ、絶対、負けないと思うんだ」「でも、子供がまだ小さいみたいで。それが、ちょっとね」 瑠璃子の突然の告白に、何と答えていいのか解らず、躊躇(とまど)っていた。 すると。まただ。空間が更に歪む。そして、今度は...
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第46柱 『秘めごと』

女子会。 「違う、違う! 全然、そんなんじゃないよー」 身体の前で、大げさに両手を振り、おどけてみせる瑠璃子。 こりゃぁ、間違いない。否定すれば、するほど。その男性(ひと)の事、絶対、好きだよね?(ニヤリ) 瑠璃子は、昔の同僚で、彼女が転職...
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第45柱 『黒いオーラ』

パソコンから黒いオーラが! おはよーございまーす!今日も、一日、頑張りまっす。元気一杯、出勤したつもりが。自身のパソコンに近づいた途端、一瞬、たじろいでしまう。パソコンから、黒くて邪悪なオーラが放たれていたからだ。オーラは「人」から放たれる...
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第44柱 私のあねご神様『ALIVE or DEAD』

サバイバル。 「ほら。どんどん呑みなさい」 口をつけたばかりのまこのグラスに、更に、ワインを流し込む花子先輩。呑ませ上手、注(つ)ぎ上手。自身もぐいぐいと呑み進めながら、何だか凄く嬉しそうだ。 花子先輩がご機嫌なのは、何よりなのだが……。 ...
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第43柱 私のあねご神様『一匹狼』

一匹狼。 「いつまでランチしてんの? 他の人が出かけられないでしょ!」 ほーーーい。スミマセンでしたぁ。 女帝・花子先輩に一喝され、ランチから戻った女性陣たちが、散り散りに逃げ惑っている。仁王立ちの花子先輩。よく見る光景だ。 花子先輩は、長...
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第42柱 私のおじさん神様『DEEPな予感』

DEEPな予感。 もう一度、映画界に就職すると心に決めてから、半年後。まこは、今、映画業界の片隅で働いている。引き寄せの法則は、偉大なり! 働き始めたのは、映画の団体。映画界の仕組みを整えたり、業界全体を後方支援する会社で、映画界のVIP達...
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第41柱 私のもこり神様『スタンバイ』

スタンバイ。 事務所が事実上の解散となり、突然の無職となった。 当時32歳、独身。彼氏なし。貯金なし。仕事なし。うー。哀れの極みである。 子供の頃は、32歳って、もっとずっと「大人」だと思ってた。多くの知識、多くの経験。何でも出来て、色んな...
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第40柱 私のもこり神様『終わりの美学』

終わりの美学。 「急で悪いな。退職金も出せないけど」 ガガさんが、無理に笑顔を作り、まこに告げた。 抗(あらが)う筈などない。『わかりました』と静かに受け入れるだけだ。 結局、監督率いるこの映画制作会社は、収束へと舵を切った。正確に云うと、...