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第64柱 『水の中』

水の中。水中から見上げる太陽は、何て美しいのだろう。揺れ踊る波間をすり抜けた光の帯が、幾重にも重なり合い、宝石の矢のように降り注いでいる。その時、アタシは、薄れ行く意識の中で、うっとりと水面を見上げていたんだ。あれはまだ、アタシが小学校低学...
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第63柱 『変わらないモノ』

三者”快”談。失礼を承知で云うが。アタシの尊敬するプロデューサーM氏は、ちょっこり『ヨーダ』に似ている。『ヨーダ』とは、『スター・ウォーズ』の主要キャラクターの一人で、見た目は小柄な老人だが、銀河系最高の剣士と呼ばれるジェダイ・マスターのこ...
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第62柱 『福の神と貧乏神』

貧乏神。オイラは、「貧乏神」。痩せっぽちで、ボロボロの服を着て、皆に嫌われ者のオイラだが、れっきとした「神様」だ。あちこちから追い払われ続け。流れ流れて、今は「まこ」という名の女の家にいる。四角い部屋を、丸く履き。たまに、燃えるゴミを出し忘...
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第61柱 私のあねご神様『目に見えないもの』

三代目。「酒の一滴は、血の一滴!」いつものフレーズを叫びながら。グラスを逆さまにして、最後の一滴まで、己(おのれ)の舌に流し込んでいる女性がいる。彼女は、活動写真プロデューサー。創業100年を超える老舗映画社の三代目だ。1910年(明治43...
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第60柱 私のあねご神様『夢を追う人』

夢を追う人。映画に携わる会社で仕事をしていると。たくさんの「卵」たちが、アルバイトとして訪れる。監督の卵俳優の卵脚本家の卵などなど。彼らは、アルバイトをしながら、自主映画を制作したり、小さな舞台に出演したり、作品をコンクールに応募したりと、...
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第59柱 私のあねご神様『好きな人、嫌いな人』

映画祭。その頃。ある映画祭で、「日本映画の旧作」部門を担当する事となった。それまで、邦画の旧作を、殆ど観たことがなく。最初は、「え? クラシック映画のどこが良いの?」と思ったが。いやいや。日本映画が娯楽の頂点に君臨していた1950年代頃の作...
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第58柱 私の母さん神様『出逢い』

出逢い。その頃。映画界で2度目の転職を果たしてから、数年が経過していた。仕事量も多く、変わった人も多い業界だが、花子先輩やあしながさんなど同僚にも恵まれ、毎日が新鮮で、充実した日々を過ごしていた。(花子先輩は第43柱『一匹狼』、あしながさん...
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第57柱 となりのお不動様『凄い霊能者③』

母の願い。「今のところない」お不動様が、シラと告げる。「して欲しいことは、特にない、と云っている」 え? そんな。お母さん!私にして欲しいこと。なにか、あるでしょ???例えば……。少し考え込んでから。心の奥に引っかかっていたあの質問を。思い...
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第56柱 となりのお不動様『凄い霊能者②』

何が視えているの?となりの里のお不動様は。とにかく、摩訶不思議なり。過去も未来も視えているのか?あるいは、人の心が読めるのか?どうあがいても、本人以外、知り得ないことも。お不動様は、はっきりと捉えてているようだ。最初に、まこが尋ねた質問はこ...
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第55柱 となりのお不動様『凄い霊能者①』

霊能者に会いに。昔、北関東のある里で。凄い霊能者に出逢ったことがある。人呼んで「お不動様(おふどうさま)」。となりの里に住む、霊媒師を生業(なりわい)にする方である。それは、突然、母を事故で亡くした頃のことだ。(詳しくは、第9柱 私の母さん...