第52柱 私のおじさん神様『おばあちゃんと神様の健康法』

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おばあちゃんの健康法。


昔、昔。
アタシがまだ幼少の頃のことだ。


近所に住む父方の祖母が、よく云っていた。

「靴下を履いて寝るな。死ぬぞ!」






『死ぬ』というのは、ちょっこり、言い過ぎかもしれないが。

とても暑い地域で生まれ育ったアタシは。
靴下を履いて寝ると危険なのは、あながち嘘ではないように思う。


そうそう。
夏の夜、靴下を履いて寝ていたら。
ホントに身体に熱が籠り、意識が朦朧(もうろう)としたことがあったな。


それに。
おばあちゃんが云うなら、間違いない。
だって、おばあちゃんは、天才だから!



お米のとぎ汁で、床を拭いて、ピッカピカにしたり。

雷が鳴るのを、予言したり。

ねぎを首に巻いて、風邪を治しちゃったり。(アリシンという成分が効くらしい)



だから。
おばあちゃんの云う通り。


寒い寒い冬の日でさえ。
靴下を履いて寝たことは、一度もない。



神様の健康法。


中学生の頃の話だ。


今年も、健康でいられますように。

初詣でお願いしているアタシに向かい、おじさん神様がニヤニヤとこう告げた。


「だよな。人間にとっては、健康が一番だものな」



そりゃぁ、そうだ。
その頃、中学生のアタシにとっても、
恋も勉強も部活も大事だが、
全て、健康であればのことである。




そう云えば。
ニヤニヤ返しで、質問してやった。

おじさん神様は、病気になったりしないの?
ぎっくり腰とか??



「ない」

きっぱり答えるおじさん神様。

嘘か誠か。
「神世界に病気という概念はない」とのことだ。





ふーん。
でもさ。


ぎっくり腰は、あるんじゃなーい?

ないっ!


気は首の後ろから入り、足の裏側から出る。


「では、ひとつオマエに教えてやろう」

いつもの上から目線で切り出すおじさん神様

「気(エネルギー)は首の後ろから入り、身体を巡り、足の裏から出る」




な、なんぞや??



「足の裏を塞(ふさ)ぐな。悪い気が滞(とどこお)るぞ」




へ???
なんか、昔、おばあちゃんも似たようなこと、云っていたような……。




「なるべく裸足で生活しろ。靴下を履く時は、通気性のよいモノにするのじゃ」




ふむむ。



「よいな。足裏が臭い時は、身体の中に異変が起きている証拠じゃ」






それからは。
おばあちゃんの教えに、おじさん神様の健康法が加わり。


なるべく、裸足で生活したり(家の中だが)。
青竹踏みをしてみたり。
足裏シートで「不要な成分」を排出したり。


とにかく、足裏を大切にした。
悪い気を滞らせぬよう、二人の「教え」を忠実に実行してみたのだ。


結局。
今のところ、
病気知らずのアタシである。


つづく

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