アリサ登場
空港から、アリサの住む街・Petaling Jaya(ペタリンジャヤ)へと、タクシーで1時間程ひた走る。
暮れ行く街を、車の窓から、飽きることなく眺めていた。
幾重にも重なるジャングル、唐突に現れる高層ビル群、そして又、緑深きジャングルの繰り返し。
流れる風景を見ていると、この国が、太古の自然に抱かれながら成長し続けているのが、良く判る。
夕刻7時、待ち合わせ場所に到着。
遂に、アリサ登場!
そして、すぐに退場!
まだ、仕事が残っているんだって。
しゃーない。
アリサの仕事が終わるまで、一人でお散歩。
安全そうなショッピングセンター・Tropicana City Mall(トロピカーナ・シティ・モール)を偵察だ。
館内は明るく、広く、清潔だ。
物価は日本の半分位だろうか?
派手な色味でディスプレイされた洋服は、すけすけひらひらエロカワ風。
レストランは多国籍で選り取り見取り。
モール内の映画館は最新シネコン。
ここは、新宿でしたっけ?
正直、マレーシアをナメてました。
館内には、「♂(男)と♀(女)の店」なる店もあったが、入る勇気はなく、正体不明。
後でアリサに聞いたけど、彼女は店の存在すら知らなかった。
永遠の謎となる。
宵闇が深くなる頃、仕事終わりのアリサが再び登場!
マレー風焼き鳥・サテと共に、南国テイストの薄いビールで、再会を祝おう。
「Cheers!(チアーズ)」 (乾杯!)
アリサがチョイスしてくれたお店は、地元っ子が集うローカル・レストラン。
バンド演奏が次々と繰り広げられているが、一番人気は、80年代の音楽を奏でる「おじさんバンド」のようだ。
中年おじさん3人組が「ぽろろ~ん」とギターを奏でると、店中の客が一斉に小さく揺れ、酔いしれる。
何でも揃うこの街も、夜はちょっこり群馬臭を漂わせる。
今夜は、アリサが社宅として滞在しているプール付き高級マンションにて一泊。
わーお!
ランカウイ島へ
マレーシア二日目。
アリサと二人で、2泊3日のランカウイ島へ出発した。
アンダマン海に浮かぶランカウイ島は、豊かな森と美しい海に囲まれた世界的人気リゾートだ。
極上の癒しを求めて、今、最高の夏が始まる……
筈だったよねー???
クアラルンプール発ランカウイ島行き・格安航空のエアアジア。
タイヤがパンクで、ずっぽり遅延。
わざわざ高価な午前便を予約したのに、後から出発した安価の午後便に抜かれた二人!
うなだれ気味に、何とかランカウイ空港に到着。
見た事もない大雨の中、屋根のない場所で降機させられ、久しぶりにダッシュする。
亀より遅く、ずぶ濡れの二人!
ヨロヨロと、ホテルに到着。
嬉し恥ずかし水着に着替え、ホテルのビーチ・バーへ。
ん? 改装中?
洒落た水着で、工事現場に立ち尽くす二人!
気を取り直し、お米博物館・Laman Padi(ラマン・パディ)の中にあるレストランへ。
ん? この店も改装中?
ランカウイ島まで来て、田んぼだけ見て帰ってきた二人!
めげずに、地元っ子に人気のシーフードレストランとお目当ての雑貨店へ。
島のメインストリートは、ビーチ沿いの一本だけ。
一本道なのに、道に迷う二人!
タクシーでホテルに帰りたいのに、ホテル名を覚えていない二人!
たーすけてーー!
つづく
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