ハラスメントをしている本人には自覚がない?
アク部長からパワハラを受け、先日、会社を去った男性から連絡が来た。
(男性については、第70柱『会社なんて、誰か死ぬまで助けてくれない』を参照)
今は、心も落ち着き、出向元で元気に働いているそうだ。
男性によると。
ここを辞めた後、外出先で、ばったりアク部長と会ってしまったそうだ。
その際に、アク部長が男性に告げた言葉が、これ。
「水くさいじゃないか。どうして云ってくれなかったんだ?」
謝るでもなく。
怒るでもなく。
水くさいじゃないか。
はぁ?
「ボクにとっては、アク部長はパワハラの加害者で、自分は被害者なんです。なのに『水くさい』と云われて、ボク、呆れちゃったんですよ。イジメた方は、イジメられた人の気持ちなど、全く分かっていないのだと確信しました」
世界から、ハラスメントがなくならない理由の一つは、本人に自覚がないことだ。
相手がどんなにイヤがっていても、全く気付かない。
きっと、「自分は正しい」、いや、「自分だけが正しい」と思っているからだろうな。
そう云えば。
アク部長が酔っぱらって、アタシの腰に腕を回してきた時に、ヤメてくださいと跳ね除けたら、「エスコートしただけだ!」と逆切れされたことがある。
これも、自覚がないのか?
はたまた、言い訳なのか?
あるいは。
ただの馬鹿なのかもしれないな。
どうして悦びになるの?
では、アク部長は、本当に自覚がないのだろうか?
いや。
アタシは知っている。
相手の心を殺した後に、
口の端をヒッと上げて、薄汚く、嗤っているアク部長を。
この男は。
自分の権限を振りかざし、相手が自分にひれ伏すのを、心から楽しんでいるのだ。
黒いオーラというより、闇そのものを射っているような気がする。
見えない矢は、鋭い言葉に宿り、人の心を殺す。
「黙れっ! いいから聞けよっ! つべこべ言うな!」
「部下が上司の云う事を聞くのは、当たり前なんだよっ!」
色濃い血の涙を流す者を、更に、踏みつけて進むアク部長。
そして、ほら。
また、嗤ってる。
ねぇ、アク部長。
人の心を殺すことが、どうして悦びになるの?
つづく
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