第69柱 『悪魔が上司になるなんて』

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悪魔が上司になるなんて。


男は、常に危険な存在だった。
(男については、第68柱『そして悪魔がやって来た』を参照)


上層部の人間には、媚び諂(へつら)うが。
弱い立場の人間には、徹底的に、威張り散らす。


ゴツゴツとした厳(いか)つい身体。
威勢のいい大声、乱暴な言葉使い。
なのに、心の中心は、いつもシンとしている。


それでも、仕事が出来る人ならば、上司として、甘んじて受け入れるが。
業務に支障をきたすほど、能力不足の男である。


悪魔が自分の上司になるなんて、
夢にも思っていなかった。


神様。
どうしてアタシの人生に、悪魔を送り込んできたの?


これは、必要な試練なの?


それとも、何かの罰なの?


悪(アク)の所業。


「オマエは無能なんだよ!」

「なんで、こんなトンチンカンな答えになるんだ!」


今日も、悪魔が、気の弱い男性を皆の前で叱責している。
アタシから云わせると、トンチンカンなのは悪魔の方なのだが。


男性の話には一切耳を貸さず、
自分の苛立ちを一方的に爆発させているように見える。


しばらく静かに聞いていた花子先輩が、たまらず、助っ人に入った。
(花子先輩については、第43柱 私のあねご神様『一匹狼』を参照)


「それは違う。そんな言い方も、よくないと思います!」


さすが、我が社の女帝・花子先輩。
一歩も引かない姿勢が頼もしい。


「黙れっ! いいから聞けよ! つべこべ言うな!」


悪魔が、机の上に書類を打ち付け、鬼の形相で、花子先輩を睨みつけた。
事務所の空気が、一瞬にして、凍り付く。


男を、このまま「悪魔」と呼び続けてもよいのだが。
このブログでは、以降、「アク部長」と命名させていただく。


天網恢恢(てんもうかいかい)。
悪(アク)は必ず滅びると信じたいのだが。


アタシですら、まだ知らぬ、アク部長の行く末を。
このブログを読んでくださっているアナタにも、一緒に見届けて欲しい。


つづく

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