第29柱 私のもこり神様『ゆけ!下僕道』

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ゆけ!下僕道

「映画」を、そして「映画人」をもっと知りたい。
まずは、まこの雇い主である「監督」の作品から観てみよう。

前にも記述したが、実は、監督は国内外の映画祭でも高く評価されるほどの大巨匠である。
映画界に飛び込み50年、映画一筋の道を歩んでいる凄い人なのだ。
脚本も含め、手掛けた映画作品は30を超える。
その全てがTSUTAYAに行けばレンタル出来るという事実だけで、彼の偉大さが伺える。


へー。
このクソ監督、そんなに凄い人なのか。


この映画制作会社に就職した頃は、それほど映画に興味がなかったまこ。
映画館に行くのは年に数回、たまにテレビ放映で「洋画」を観るのが、関の山だった。
雇い主(監督)の作品すら、最新作の1作品しか観たことがない始末。

まこよ。オマエは映画界では底辺の人間だ。
Top of 下僕。
下僕中の下僕。
下僕のトップランナーだ。

監督の作品を観ていない?
そんな事では「下僕道」に反するぞ。
猛省して、監督の全作品を制覇だ。
ゆけ!下僕道。



ふー。制覇。





やや? ヤバイ!

この人、「ホントに」巨匠かもしれない?
(いやいや。最初から巨匠って聞いてたじゃないかっ!)


名作? 秀作? 奇作?
とにかく、人間臭く、色気のある凄い作品ばかりだ。



監督の映画作りの原点は、戦後の闇市(やみいち)での生活体験らしい。
だからなのか、日本の底辺に焦点を当て、生身の人間をひたすら追求する作品ばかりである。
ゆえに、重く暗い描写も多く、ハリウッド映画のような派手な映像や美しいシーンはないに等しい。

が、だからこそ、人間そのものの輪郭がはっきりと見える。
欲望を剥き出しにして、逞しく生きていく人間の姿は、それこそが美しく、感動を生むのだ。




もこり神様は云う。
「彼は、狂気を授かったな」







か・ん・と・くぅ~(監督)❤

凄いじゃないか、ええじゃないか!
ならば、ご褒美?に、美味しいお茶でも、淹れてあげよう。


監督の大好きなミルクティーを入れ、いそいそと監督の部屋へと向かう。
微かに開いた扉から、監督の姿が見えた。
さてさて、巨匠は、未来の大傑作を執筆中か、あるいは、分厚い書物を読破中か。


監督は、一心不乱に一枚の写真を眺めている。
芸能事務所から届いた宣材写真のようだ。
自分の頭よりも上に、高々と掲げて、下から眺めている。


ん? ミニスカートの女性の写真だ。

写真の角度を変えたり、自分の首を傾けながら、スカートの中を覗いているではないか。




え? 監督。
写真を下から覗いても、パンツ、見えませんからぁ!




巨匠? 凄い人?

前言撤回。

ただの、スケベじじいだ。


つづく

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