お呼びでない?
(第120柱『寒川神社に呼ばれた』① はこちら。)
寒川神社の真骨頂は、
「ご祈祷を受けた人のみ入れる庭園」の存在である。
神嶽山(かんたけやま)神苑。
本殿の奥に位置する御神域で、かつては禁足地だったが、
2009年に満を持して開苑されたそうだ。
威厳たっぷりな「外門」から、一歩、足を踏み入れた瞬間、すぐに分かった。
神域……。
こっちが本丸じゃねーか!
神苑は「真・行・草」の世界観を表現しており、
神の聖域とする「真」
神と人を結ぶ「行」
人間が暮らす「草」
という3つの領域で構成されている。
順路に従い、まずは、神の聖域とする「真」の領域へ。
茅葺き屋根の美しい手水舎の奥には、
寒川神社の起源に関わりがあるとされる「難波の小池」があり、
今もなお、御神水がこんこんと湧き出ている。
撮影禁止のため、写真はないが、
なるほど、冷たく張り詰めた空気は、全ての邪気を祓ってくれるかのようだ。
万物の命の源である水がここにある。
ここ、好き。
静かな気持ちで、緑に包まれた道をひたひたと進んで行くと、
ねぇ、絶対、奥になんかあるよね?
誰かいるよね?
と、心が騒(ざわ)めき始めた。
そして。
やっぱり、あった!
いや、いた?
裏参拝所。
本殿の真裏にあたり、
神嶽山(かんたけやま)を通して、大明神を裏から参拝出来る場所である。
「表」とは違い、
煌(きら)びやかに祀(まつ)ってあるわけでもなく。
何だか、ちょっと怖い雰囲気もあるし、
しばし観察していたけれど、気付かず通り過ぎちゃう人もいるんだな。
だけど、むしろ、アタシにとっては、チャンス。
今日は空いていて、裏参拝所からなら、神様を独り占めだ。
で。
思い切って、神様に話しかけてみた。
「先ほど、本殿で参拝とご祈祷もさせていただきました」
「後で、おみくじを引くので、お言葉をくださーい!」
すると。
優しい風が吹いた。
温かくて、柔らかくて、若い風。
以前に、赤坂氷川神社で受けた「突風」とは全く違うんだ。
(詳細は、第116柱 『パワースポット・赤坂氷川神社』を参照)
あれ?
若い風?
お爺ちゃんとお婆ちゃんの神様じゃないの?
寒川神社は、
寒川比古命(さむかわひこのみこと)と
寒川比女命(さむかわひめのみこと)の
「二柱の神様」を祀り、
約1600年もの歴史がある筈なのだが。
何故だろう?
男でも女でもなく、とにかく若くて優しい神様を感じる。
皆の為に奔走していて、忙しいのかな?
一人でいるみたい。
何だか、そう感じたんだ。
あれ?
もしかして、アタシ、相当な検討違い?
お呼びでない?
さて、次は。
厳粛な「真」の世界から、俗世である「草」の世界へ。
内門をくぐり、神の領域から人の領域へと進む。
俗世なんて、毎日、生活している世界だけど。
何だか、ワクワクしちまうな。
八氣の泉(はっけのいずみ)は、なんと美しいことか!
ここからも湧き水が流れ出ているそうで、なんとも清々しい氣が漂う。
俗世って、こんなに素晴らしいトコロでしたっけ?
「八氣の泉」を見渡せる茶屋「和楽亭」もある。
お抹茶とお菓子がいただけるそうだが、今回はパス。
綺麗な水と澄んだ空気で、既に、満たされているからな。
本日のまこメシ。
ご祈祷後にいただいた、
お神酒(おみき)・ご神供(ごしんく)・お箸(おはし)で晩酌。
【ありがたく「いっただきまーす」の今宵の晩酌のまこメシ。】
・お神酒
・ご神供
・焼き鳥
・山芋のわさび和え
・オイキムチ
・紅白かまぼこ
・冷奴
おみくじ
帰りに、おみくじを引いた。
神様からの「お言葉」をいただくんだ。
吉。
運気のめぐりよし。
忙しくも有意義な日々。
うん。
また、明日から、頑張れそうだ。
最初は、「行きたくない」「呼ばんといて」と思っていた寒川神社訪問ではあったが。
結局、凄く楽しかったし、良い経験をさせて貰ったな。
キミも。
寒川神社で、心洗われてみないか?
おまけ。
御祭神の寒川比古命、寒川比女命のことが、気になったので。
家に帰って、ちょっと調べてみたんだ。
一体、どんな神様なんだろう?
結論から云うと、所説あり、詳細は不明。
古事記や日本書記には記述がなく、謎に満ちた神様みたいだな。
だけど、一つ分かったのは、
寒川比古命、寒川比女命は、一対の男女神からなり、
二人で寒川大明神と呼ばれているんだって。
なるほど。
それで、裏参拝所で風が吹いた時に、
「この神様、一人でいるみたい」と感じたんだな。
納得。
【広告】
コメント