スピリチュアル

第81柱 『笑いの神様』

未遂。 一人、白い壁を見つめていた。 西向きのアタシのお部屋。カーテンを閉め切りにすると、いつ日が昇り、いつ日が沈んだのか、いつが今日の終わりなのか、全くわからない。 あれから、部屋で一人、ずっと考え込んでいる。一方的に、怒鳴られ、罵倒され...
スピリチュアル

第80柱 『畜生』

畜生。 全治2カ月。肉離れの中では、結構、重症らしい。だけど、病院で、松葉づえを2本借りられた。大丈夫、これがアタシの足になってくれる。 翌朝、会社へ出社し、まずは、経理の慶子さんや仕事を変わってくれた同僚たちへ詫びた。皆、色んな思いがある...
スピリチュアル

第79柱 『SOS』

SOS アタシが、足を怪我しようが。アク部長が、逃げてしまおうが。目の前の仕事が消えてなくなるわけではない。誰かがやらなければ、それは結局、後でアタシの首を絞めあげるだけだ。 よし。やるしかない!まずは、最も信頼している経理の慶子さんへSO...
スピリチュアル

第78柱 『敵』

目に見えない敵。 あの忌まわしい事件が起きたのは。「コロナ感染症」が、世界中を混沌に陥(おとしい)れ始めた頃のことだ。 コロナは、アタシ達の生活様式を大きく変えてしまい、在宅勤務やリモートワークを余儀なくされ、アタシは、それに対応できるシス...
スピリチュアル

第77柱 『そして、皆、いなくなった』

そして、皆、いなくなった。 アク部長が就任してからというもの。スタッフの入れ変わりが、激しくなった。(アク部長については、第69柱 『悪魔が上司になるなんて』参照) この短期間だけでも。出向者は、精神科へ通い始めた者・1名、理由をつけて本社...
なんでもない日常

モヤモヤ、一つ消えた。

モヤモヤ、一つ消えた。 モヤモヤが溜まっていた。 「それは違うのでは?」と思っても、相手に遠慮して、自分の意見が云えられなかったからだ。 だけど、先日、思いきって伝えてみた。そしたら、相手はあっさり受け入れてくれた。 なーんだ。一体、アタシ...
なんでもない日常

あの頃のアタシは。

あの頃のアタシは。 あの頃のアタシは。ある仕事で初めてプロデューサーを任されて、鼻息荒く、とにかく一生懸命だった。 だけど、経験も、才能もない、ただの未熟者で、結果、泣かず飛ばずの有り様で。 打ち上げもない帰り道。深々と頭を下げ、スタッフ達...
スピリチュアル

第76柱 『時間が巻き戻った!?』

朝の祈り。 ヤバイ。寝坊した。 その日、気分よく二度寝したアタシは、そんな自分を呪いながら、家中の時計を、何十回と確認しながら身支度を進めていた。 まー、しかし。いつもなら、最後まで観られないテレビの料理コーナー。寝坊したお陰で、今日は、最...
なんでもない日常

時間が皆に平等とは限らない。

時間が皆に平等とは限らない。 こうして師走が近づくと。たびたび、飛び交う言葉がある。 「もう12月。1年経つのが早いですね」 アタシは、口では「そうですね」と答えておきながら。心の中では、実は、そんなこと、全く思っちゃいないんだ。 1年って...
なんでもない日常

朝、月に逢える。

朝、月に逢える。 最近、急に寒くなってきて。あったかい布団から抜け出すのも、辛くなってきたけれど。 西向きのアタシのお部屋。早朝、ベランダから空を眺めると、西の空高くに、白い月が見えるんだ。 夜に見る月とは違い、今にも消えてしまいそうな薄明...