父の認知症が始まった。#55

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実家どうする問題。


遠い日の故郷の空。
草の匂い。
愉しかった幼い頃の日々。
思い出は色褪(あ)せず。


時は流れ、親も老い、
今は父が一人、ぽつり、暮らしている。



アタシは、いまだ独身で。
東京で一人、賃貸暮らしをしているが。


結婚して実家を出た姉が、ふとアタシに尋ねた。

「いずれは実家に戻るの? それとも、一生、東京で暮らすの?」


アタシは内心ぎくりとしたが、曖昧な返事をしながら笑ってみせた。

「うーん、まだ決めてないけど、定年過ぎたら、たぶん、ね」





認知症3年生の父。
今はまだ、深刻な状態には見えないけれど。


遠くない未来。
父はどうなっているのだろうか?


元気?
介護?
それとも、施設に入っているの?


いつか訪れる父との別れの後、
この家はどうするの?


売却?
アタシが住む?
その時、アタシは仕事を辞めているの?


どんな答えが正解なのか。
戸惑いながら、自分に問いかける。


ぐるぐるぐるぐる迷いは尽きず。


自分の未来さえまだ、
選べていないというのに。


本日のまこメシ。


何を食べるかは。

いつだって、きっぱり決められるのに。


【今日はぎょうざ、絶対、の本日のまこメシ。】
・ご飯
・卵スープ
・焼き餃子
・大根と練物の煮物
・ほうれん草のお浸し
・豆乳






今や、東京都内でマンションを購入するには、1億円を超えるという現実。
東京に残るという選択をしたとして、一生、賃貸で生きていけるのか?


では、実家に戻れば、いいじゃないか?
経済的なメリットとなり、未来の自分に安心を贈れるのは明白である。


だけど、今さら、親との同居は生活スタイルの違いから、互いにストレスにならないか?
だいいち、薄情なアタシに、親の介護なんて出来るのだろうか?


昔のように、田舎の風習に馴染めるのか?
家のメンテナンスといった課題も出てくるよな。





相も変わらず、ぐるぐるぐるぐる迷いは尽きず。


すぐには答えが出せそうにない。


実家どうする?


どうしよう?


正直、重い荷物は持ちたくない気持ちもあるけれど。


だけど、実家はただの「家」ではない。

アタシのココロが帰る場所でもあるんだ。


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