父の認知症が始まった。#22

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要支援1の正体。


父の日で、実家に帰省。
今夜は、父と晩酌だ。


父と杯を交わしながら、
気になっていた「実家の洗濯物の異変」について探ってみることにした。


最近、タオルが茶色いし、父のTシャツも生乾き臭がするもんな。
(詳細は、父の認知症が始まった。#21 父 vs 洗濯。を参照)


とは云え、
「洗濯機の使い方、分からなくなっちゃった?」とは、勿論、聞けない。


だから、
「ボタンひとつで乾燥まで出来る新しい洗濯機が欲しい。どう思う?」と聞いてみたんだ。


すると。





「欲しいなら、買ってあげるよ」

父は、あっさりと答え、おつまみの枝豆に手を伸ばす。



「だけど、お父さんは、今の方が使いやすいかな」

見事に、豆だけ、ぽろりとテーブルに落ちた。
豆を逃した口は、ヒョットコのような形をしている。



「今の洗濯機なら、汚れの具合によって、洗い時間とか自由に設定できるし」

「トイレマットなんかは、お風呂の残り湯を再利用できるしな」


ん?
もしかして、アタシより、洗濯機、使いこなしている?




「そう云えば、最近、タオルが茶色いけど、洗濯機が壊れてたりしない?」


「ああ、あれは、デイサービスで週に1回、温泉に入るからさ。酸化してタオルの色が変わっちゃうんだよ」


父は、テーブルに落ちた豆を、手ではなく、器用に箸で救い上げ、口に放り込んだ。
満足げである。





嗚呼。
お父さん、ごめん。


認知症だから、洗濯機の使い方が分からなくなったのだと、
勝手に決めつけていたよ。


むしろ、アタシなんかより、
丁寧に日常を過ごしているではないか。




父は、食べ終えた方の枝豆のサヤを、
これから食べる方の皿に、ぽいと戻している。


「お父さん、そっちのお皿じゃないよ」


小さく叱るアタシの声は、想像以上に優しかった。


本日のまこメシ。


恒例の。


ちょっと良い日本酒で乾杯。


【今年は『天狗舞』の父の日の実家の晩酌のまこメシ。】
・お刺身
・枝豆
・肉じゃが
・かっぱ巻き
・パイナップル
・日本酒(冷酒)





健康オタクの父は、沢山のサプリメントを購入している。
が、そろそろ不要なサプリの定期購入は止めて、きちんと整理したいそうだ。


だけど、解約手続きが複雑過ぎて、どうしようかと悩んでいたとのこと。
よし。ここはアタシの出番である。


手続き方法を調べ、念のため、お客様番号や住所、誕生日、「定期コースを解約したい」などの台詞も、紙に大きく書き出した。


そして、準備万端、父本人が電話してみたところ、
いとも簡単に手続きを終えられたんだ。


最初は、不安そうだった父も、
自信もついたし、嬉しそうだ。




そうか。

認知症になっても、すぐに何もかも出来なくなるというわけではない。

必要な時に、適切な「支援」を行えば、生き生きと暮らしていけるんだ。




今の父に必要なのは、

「介護」ではなく「支援」なんだ。


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