なんでもない日常

なんでもない日常

ハズレ。

痛い。 違うんだ。悪いのはアタシの方なんだ。 勝手に、キミに憧れていたんだ。ため息が出るほど、美しかったから。 高望みだって知っていたよ。自分には不釣り合いだってことも。 だけど、キミと歩いてみたかったんだ。どうしても、自分のモノにしたかっ...
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優秀な人ばかりが勝つわけではない。

勝負。 「優秀すぎないから、オマエを選んだんだ」 これ。昔、アタシが幾多のライバルを出し抜き、某・巨匠の映画制作会社に就職した時に云われた、クソみたいな理由である。 優秀すぎる人は使いにくい。だから、オマエがちょうどいいんだ、と。 失敬な。...
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洗濯日和。

何を洗う? 野蛮な日差しが降り注ぐ。今日も、洗濯日和になりそうだ。 夏用のシーツを洗ってさ、大きく広げて干してみた。 夜は、友人と出かけよう。暑い、暑いとビールを煽(あお)り、久しぶりの談義に花を咲かせる。 いっぱい、呑んで、いっぱい、笑っ...
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イライラしてもしょうがない。わかってる。

ドア地蔵。 以前の満員電車とまではいかないが。日常の通勤風景が戻ってきた。 そして、ほら、今日もいるよ。電車のドア付近で、全力で自分のポジションを守っているヤツが。 右側に「ドア地蔵」。左側に「ドア大仏」。 ははん。人の迷惑を想像できず、気...
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ぞろ目な人々。

偽セレブ。 会社のお中元・お歳暮の手続きは、日本橋・髙島屋に出向くことに決めている。 お行儀の良い店員さんに傅(かし)ずかれ、なんとも優雅で上流階級気分を味わえるからだ。 ふっ。年に2回の偽セレブである。 しっかし。平日の午前中だというのに...
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夕焼け。

夕焼け。 昔、東京で一人暮らしを始めたばかりのアタシの部屋に、突然、父が訪ねてきたことがある。 「オマエの家の近所を観光したい」 さて、どうしよう?何処へ連れていこう? 父の趣味は、マラソンや山歩きだ。人混みは嫌いで、行列には並べない性分で...
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何だかツイていない日。

ツイていない日。 近所のスーパー。小銭を思い切り、床にぶちまけた。這いつくばって、かき集め、後で数えて、1円足りぬ。 嗚呼、ツイてねぇ。 駅のロータリー。友人の車だと思い、駆け寄る。笑顔でドアを開けたら、全く知らない人だった。 嗚呼、ツイて...
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心が眠りたがっているんだ。

ロングスリーパー。 アタシは、ロングスリーパーである。目覚まし時計をかけないで寝ると、平気で10~12時間は寝てしまう。 老体がお疲れモードなの?足りない脳みそでも、少しは使っているのかな? それもあるけれど……。とにかく「心」が疲れている...
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あたほ。

父からのメール。 独り暮らしの父から、久しぶりにメールが届いた。『あたほ』これ、どういう意味だろう? 電話で聞いてみると、慣れないメールで、悪戦苦闘しているとのこと。「うまくメールが送れないんだよ」 そこで「父の日」に帰省した際に、父のスマ...
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透明人間。

会話泥棒。 一人で、ランチをしていたら。隣席の話が、耳に飛び込んできた。 聞き耳を立てていた訳ではないのだが、聞こえてしまう見知らぬ女性二人の内輪話。 ふむふむ。4年ぶりの再会で、外食するのも久しぶり。 Aさんは、上の子供が大学受験に合格し...