父の認知症が始まった。#52

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還る場所。


年末年始に実家に帰省。
今年も無事、父と一緒に、元気に正月を迎えることが出来た。


父が認知症と診断されてから、2年3カ月が経過したが、
娘の欲目からか、
信じたい心からか、
現時点では、症状が深刻化したようには見えない。


父は今でも一人暮らしを続け、自立している。
簡単な料理や洗濯など、身の回りのことは自分で出来ているし、


運動(外を歩く、ストレッチ等)は、毎日、欠かさない。
食欲もあるようだ。


が、数日、一緒に過ごし、よく観察していると、
意欲が減退し、ものごとを面倒臭がるようになった気がする。


毎日、欠かさずつけていた日記も書かなくなったし、
以前よりも、テレビの前で時代劇を見ている時間が増えたんじゃないか?


ふむ。
危険信号である。




一般的に、認知症の進行スピードは、「初期(軽度)」の期間は2年ほどあり、徐々に「中期(中度)」を経過し、「末期(高度)」へと進行するそうだ。(※個人差あり)

約3.5年で「末期(高度)」まで進行してしまうこともあり、父の場合も、最初に認知症と診断された際に、主治医から、「5年後にはどうなるか分かりませんよ」とはっきり告げられたもんな。





こうして、一緒に正月を祝えることが出来るのは、あと何回あるのだろう?


アタシの還る場所は、


ここしかないというのに。


本日のまこメシ。


毎日。


呑んでる親子。

【酒好きは父ゆずりの晩酌のまこメシ。】
・マグロの刺身
・大根と鶏肉の煮物
・ほうれん草のお浸し
・鍋の残りでうどん
・リンゴ
・日本酒(冷酒)





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都内で働く仲間たちに聞いてみると、
アタシと似たような境遇の人が結構いることが分かってきた。


離れた場所で暮らす親が、最近、体調が悪い。
これから認知症になるか心配。
実は、既に施設に入っている、などなど。


そうなった時にどうしよう? とか、
会社を辞めて地元に戻るべきか? とか、


介護する側だって、生活が変わる。
もしかしたら、人生だって変わるかもしれないもんな。


互いに積極的に話す内容ではないから、知らないだけだったけれど、
多くの人が、不安や悩みを抱えているみたいだ。



こたつに脚を投げ出し、テレビを見ながら、笑っている父を見つめる。
父の顔には優しいシワが増え、歩みも、話し方も、随分ゆっくりになってきたな。

でも、その眼差しは変わらず、アタシを温かく見守ってくれている。
これからはアタシが親を支えていく番なのは、十分承知している。


だけど。
「アタシの未来はどうなっていくのだろう」という漠然とした不安も頭を擡(もた)げるんだ。





どうぞ、このまま進行しないでいて。


このままでいて。


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