国立人類学博物館
首都メキシコ・シティは、ちょっこり東京に似ている。
中南米経済の中心で、人口2000万人を抱える大都市だ。
(東京は人口約1400万人(2021.6.1現在))
綺麗に整備された大通りには、近代的なビルが立ち並び、繁華街には人が溢れている。
大企業、観光スポットも点在する中、巨大なビルの陰では、陽気さと貧しさをミックスしたような怪しげな露店が軒を連ねていた。
観光初日。
まずはソカロ(中央広場)からスタートし、大聖堂や国立宮殿、神殿跡など、くまなく巡る。
オススメは何と云っても国立人類学博物館。
広大な敷地内に、10万点以上の古代文化財が集結している。
有名な「巨大人頭像」「アステカ・カレンダー」から「古代人の出産シーン(←中腰の女性の尻から赤ちゃんの頭がモッコリ出ている!)」なんてシュールな展示まで、本気で見たら1日あっても足りないようなお宝満載スポットである。
一方で、生贄にされた多くの人骨や、戦闘の歴史も浮き彫りになる。
メキシコが情熱的でハッピーな国になるまでに、一体どれ程の犠牲を払ってきたのだろう。
古代へのロマンと共に、一抹の寂しさも味わう。
テオティワカン遺跡
翌日は、メキシコ・シティから車で1時間程ひた走る。
巨大な宗教遺跡・テオティワカンに到着だ。
14世紀にこの遺跡を発見したアステカ人が、「テオ(神々)ティ(変わる)ワカン(場所)」と名づけたらしい。
荘厳なピラミッド群に足を踏み入れた瞬間、その名の意味を“肌”で知る。
「死者の道」を進み、「月のピラミッド」の階段を昇る。
その勾配はキツく、剥き出しになった石面に両手をついて這うように進む。
この地は2000mの高地で、酸素が希薄、加えて真上から照り付ける熱射が、容赦なくアタシの体力を奪っていく。
絶対、死ぬ! (←きっぱり)
ふと気づくと、ハルちゃんは涼しい顔で階段をハネるように駆け上がっている。
うーん。酸素と熱射のせいではないらしい。(←オババ)
負けてはいられない。
老体に鞭を打ち、高さ65mを誇る「太陽のピラミッド」を制覇。
オババは、実は、やれば出来るコなのだ。
頂上では爽快な眺めと風が待っていた。
遥か昔、高度な都市国家は確かにココに存在していた。
そして昔も今も変わらない“絶対エース”の神に出逢う。
真実の神・太陽だ。
つづく
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