お彼岸。
秋のお彼岸(おひがん)がやって来た。
お彼岸とは、「春彼岸」と「秋彼岸」の年に2回。
それぞれ「春分の日」と「秋分の日」を中日(ちゅうにち)とし、
前後の三日を合わせた七日間のことを云う。
お彼岸の中日(ちゅうにち)は、何とも興味深い日である。
太陽が真東から上り、真西に沈む。
昼と夜の長さが同じなのだ。
そして、スピリチュアルの世界では、
「この世とあの世が繋がる日」とされ、
スピリチュアルメッセージを受け取りやすい日とされている。
ココロ沈めて、
逝ってしまったあの人に、語りかけてみるのはどうだろう?
もしかしたら、
不思議なメッセージを受け取れるかもしれないぞ。
母からの伝言。
うつら、うつら。
夢なのか?
現実なのか?
アタシは、眠りと現実の狭間にいた。
その時、アタシは一人ぽっちで。
何だか、酷く疲れていて。
すると。
白い光の中に、人影が浮かび上がる。
母だ。
黄泉(よみ)の国から訪ねてきたの?
それとも、ずっと前から、そこにいたの?
「もうじき良いことがあるから、もう少しだけ頑張ってみなさい」
それだけ告げると、母は瞬く間に姿を消してしまった。
「気配」のようなものだけは、まだ漂っている。
うつら、うつら。
起きているのか、夢の中か。
うつら、うつら。
母なのか、神なのか。
「それだけ伝えに来たのよ」
今はもう闇の中。
母の声が、響いて消えた。
お母さん。
本当に、良いことなんてあるの?
疲れちゃったよ。
もう、人生を休みたいよ。
だけど。
この世とあの世が繋がる、この不思議な日に。
母がくれた言葉を信じて、
もう少しだけ、
もう少しだけ、
頑張ってみようかな。
つづく
コメント