魂の作戦会議
父に背中を押され、北関東の実家を出た。
花の東京で一人暮らし。
新しい人生の始まりだ。
誰かを頼れる環境から、自分の面倒は、全て、自分でみる環境へ。
仕事も責任が増してゆき、家に帰れば、精根尽きて、泥のように眠るだけ。
一人暮らしをいいことに、眠りを貪(むさぼ)る毎日だった。

しっかし。
いくら寝ても、寝たりない!
間違いない。
これは、魂の作戦会議への呼び出しの合図だ。
魂の作戦会議とは、寝ている間に、魂が天界に招かれ、知恵や勇気を授けてもらえる会合のことだ。
これからどう生きるか、魂が天界の作戦会議に参加するのである。
転職、結婚、大切な何かと出逢えたり・失ったりする時など、それぞれの人生のターニングポイントとなる出来事の前に、作戦会議への招集を受ける事が多いのだが。
招集されると、いつも以上に眠くなり、いくら寝ても、寝たりなくなる。
眠りの世界は、身体や心を休めてくれるが、決して、それだけではない。
魂が、目に見えない世界へアクセスできる、貴重な時間でもあるのだ。
つまり、「いくら寝ても、寝たりない」は、魂からの合図なのだ。
近い未来に、人生が大きく変わる徴(しるし)でもある。
アナタも眠くて眠くて仕方のない時は、次のステージへ向けて、魂の作戦会議に招集されているのかもしれない。

魂ルール
今宵、深い深い眠りの底へ誘われる。
飛んでいるのか。
落ちているのか。
ゆらり、ふわり、とても気持ちがいい。
次の瞬間。
いとも簡単に、肉体から魂を引きはがされ、物凄いスピードで天に引っ張られる。
さぁ、魂の作戦会議へ出発だ!
びゅんびゅん。
びゅびゅびゅん。
雲を抜け、空を超えて、宇宙の果てへ。
自分では制御できない。
早すぎて、少し怖い。
気づくと、魂は「そこ」に到着している。
体感としては、肉体から離れて1分くらいか?
あるいは、たったの1秒だったのかもしれない。
「そこ」 には、大勢の「誰か」がいる時もあれば、母さん神様が一人で待っていることもある。
行ってみないとわからない。
そして、いつ招集されるのかも、わからない。
そして、第12柱で語った「神様ルール」があるように、ここには「魂ルール」があるようだ。
【神様ルール】
母さん神様が地上に降りた際、「母さん神様は、一言しか話してはならない」。
【魂ルール】
アタシが天界に呼ばれた際、「アタシは、一言しか話してはならないし、一言しか授けてもらえない」。
実際には、自分が魂の作戦会議に参加中は、ぺーらぺらと100話くらい発言しているように「感じる」のだが。
目覚めた後に覚えているのは、いつも自分が発したうちの短い一言だけだ。
そして、授けて貰えた言葉も、大抵、一言だけしか覚えていない。
おそらく、作戦会議の内容は、「魂」には全て刻まれているのだろうが……。
求む、魂ルールの緩和!
つづく
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