最初に。
旅の喜び、発見を忘れぬよう、ここに記す。
古い思い出ではあるが、
このサイトは「アタシの備忘録」ゆえ、ご容赦願いたい。
プロローグ
世界中の旅行者を魅了し続ける「食・観・買・癒」の楽園・タイ。
これは、アジア随一のエキサイティングな都市・バンコクへ、初めての「海外一人旅」に挑戦した女のドキドキ・ドキュメンタリー紀行である。
〔今回の旅のパートナー〕
大正製薬・新ビオフェルミンS錠(整腸剤)
今回のパートナーは、「人」ではなく「薬」。
まいど海外でお腹をこわすアタシの救世主。
バンコクの洗礼
タイ・スワンナプーム国際空港は、世界中の観光客の熱気で溢れ返っていた。
熱帯に位置するバンコクの気温は、連日38℃。
タイの暑季(夏)にあたるこの時期は、夕方になっても気温は全く下がろうとはしない。
まだ肌寒い3月の東京を飛び出したのは、わずか7時間前のことだ。
額から噴き出した汗のせいで、東京で丁寧に施したはずの化粧も、今ではすっかり剥がれ落ちた。
イヤだな。
素顔に戻ると、心の不安まで露呈しそうだ。
初めての海外完全一人旅。
勇気も自信も、全くない。
ならば、なぜ「ひとり」を選んだのか?
純粋に、海外一人旅に憧れていたこともある。
が、一番の理由は、「人に疲れていた」からだ。
多忙な毎日、
真面目にやればやるほど、心が擦り減り、笑顔が剥がれ落ちていく。
誰にも気兼ねなく、知らない土地で自由を味わいたかった。
けれど、また一方で、一人旅の怖さもぬぐえない。
旅の責任、不安、寂しさも、
全部一人で受け止めなくてはならないのだ。
二の腕は逞(たくま)しくても、超ビビリー&ヘタレなアタシ。
旅の不安はMAXだ。
エキサイティングなこの街は、
小さな旅人をどう受けとめてくれるのだろうか?
入国審査を終え、ロビーを抜けると、すぐにタクシー勧誘の声がかかる。
前を歩く若い女性には、「タクシー? レイディー?」
アタシには、「タクシー? マダ~ム?」
なんだか、無駄に敗北感。
マダムは、安宿「バンコクセンター」に宿泊。
建物の古さは否めない。
しかし、このホテルの良いところは、何と言っても低価格と立地の良さである。
地下鉄、国鉄の駅が目の前なので、移動はとても便利だ。
近くにはセブンイレブンや屋台もあり、人気のチャイナタウンまで徒歩圏内。
これで1名一泊約4500円で朝食付き。
観光目的の一人旅には、まるっとオッケー牧場である。
バンコク1日目の夕方。
勇気を出して、ホテル周辺の散策開始。
まずは、安全そうなホテル隣接の古式タイマッサージへ。
古来インドから伝わったとされるタイの伝統マッサージだが、これがアクロバット系で、かなり痛い。
定番のエビ反り、前屈に加え、前から後ろから羽交い絞めのオンパレード。
この攻めに耐えうるのは、中国雑技団の皆さんだけに違いない。
更に、マッサージ師のお姉さんの必殺技は、スペシャル・ブリッジ(←勝手に命名)。
想像して欲しい。
お姉さんの足の裏で腰を支えられながら、「強制的に」天高くブリッジさせられる一撃必殺の大技である。
うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
初日に、屍(しかばね)となる。
1時間のアクロバット体験、いや、古式タイマッサージで、チップも含め、600バーツ(約2000円)。(注:レートによる)
高いのか? 安いのか?
初日で全くつかめない。
腰をさすりながら、苦笑いで店を出る。
ホテル近くの屋台を物色、チリソースがかかったウィンナーと謎の串焼き肉に狙いを定め、さぁ、ここで、嬉し恥ずかし、タイ語を初披露。
「コー・マイ・ペッ・マーッ(辛くしないで!)」
このタイ語だけは、死んでも忘れまい。
人気のシンハー・ビールも入手し、とりあえず一人ホテルへ戻り、乾杯。
「チャンゲオ、カー!(乾杯)」
つづく
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