差し入れの達人。
映画業界に再就職してから、数年が経過した。
少しづつ仕事にも慣れ。
この土地にも慣れ。
仲間にも慣れ。
まだまだ勉強中の身であることに変わりはないが。
充実した、楽しい毎日を送っていた。
たまには、泣きたくなるような残業続きの日もあるが。
そんな時は、花子先輩が、差し入れを買って来てくれた。
(花子先輩については、第44柱 私のあねご神様『ALIVE or DEAD』を参照)
袋の中身を覗いてみると。
美味しそうな「おにぎり」と「サンドイッチ」が山ほど入っている。
「どっちが好みか分からないから、両方にしたよ」
わーい。(涙)
花子先輩から受けた温情は。
いつか自分が、誰かにしてあげたい。
電話の達人。
会社で困ったことに直面しても。
花子先輩に相談すると、大体のことは、何とかしてくれる。
いつも締め切りを守ってくれない○○会社のⅮ社長。
電話1本で、叱ってくれた。
「アタシ、Ⅾ社長とは、入社した頃からの知り合いなのよ。アイツ、偉くなったもんよねぇ~」
花子先輩、あっぱれである。
急な接待で、本日10名で個室を予約しなければならない時に。
電話1本で、近所の美味しい和食屋を、押さえてくれた。
お店の人は云う。
「花子さんには、いつもお世話になっているので」
花子先輩、ナイスである。
こんな風に。
給湯室のお湯が出なくなった時も。
急に、手土産が必要になった時も。
突然、誰かの具合が悪くなった時も。
大体、花子先輩が、電話1本で、解決に導いてくれるのだ。
あねご神様が微笑む。
「彼女の過去の体験は宝物ね。心を込めて一緒に磨きなさい。きっと、オマエにとっても宝物になるわ」
メールの達人?
差し入れの達人で。
電話の達人の花子先輩。
だけど、メールには、めっぽう弱いようだ。
先日も、有給休暇をとっている花子先輩から、メールを貰ったが。
花子先輩 「しことおわたら、銀座べてこれる?」
まこ 「はい。6時には出られます。会社を出る前に電話しますね」
花子先輩 「わかたよ」
何故、カタコトになるのだ???
まこ 「花子先輩、今日のお休みは、何をしてたの?」
花子先輩 「映画みてたよ」
まこ 「何を観ました?」
花子先輩 「『思い出のムーニー』」
オムツか!
(正しくは、『思い出のマーニー』(スタジオジブリ作品))
いつも頼りになる花子先輩だけど。
メールだと。
何だか、可愛い!
つづく
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