運命の女。
「男は結婚した後に、運命の女に出逢うものなんだ」
少し芝居かかった声で、50代・Aさんが語り出す。
周囲の男性陣が、皆、一様に「うん、うん」と頷いているのが、やけに可笑しい。
今日は、会社の飲み会で、
アタシ以外は、6名中5名が既婚男性である。
お酒も回り、宴もたけなわ。
日頃は愛妻家を装っている?男性陣が、皆、Aさんの演説に酔いしれている。
「不思議だよね? 女房と出逢った時は『この女しかいない』と思ってプロポーズしたんだ。だけど、男ってヤツは、その後で、運命の女に出逢っちまうもんなんだ」
いつもより生き生きとした様子で、語り続けるAさん。
仕事も、そのくらい、情熱的にやって欲しいものである。
30代・Bさんも後に続く。
「もう昔の話なんだけどね。結婚してから出逢った20歳のバイトの女の子が、俺の事、好きって云ってくれてさ」
にやにやが止まらないBさん。
魂ごと、どこかに連れ去られてしまったように見える。
40代・Cさんに至っては。
「飲み屋のママが、俺に惚れてるんだよ。これがイイ女でさ~」
ん? これは、お金の匂いがするぞ!
皆さん、三者三様の「運命の女」をお持ちのようで。
で、その「運命の女」とは、その後、どうなったんですか?
Aさん 「え? あ、うーん。いや、子供もいるし……」
Bさん 「だって、しょうがないじゃないかー。あっちが好きって云うんだから」
Cさん 「イイ女なんだよ~(酔)」
人の恋路に文句はないし。
「運命の恋」は、人の数だけ存在するのだから。
だけど、素朴な疑問。
彼らに見染められた、全国つつうらうらの「運命の女」達様。
アナタにとっても、その男性達は「運命の男」でしたか?
男の事情。
男性という生き物は、
尊敬されたい生き物で。
自分の事を尊敬し、認めてくれる、そんな女性に対して、
守ってあげたい、
優しくしてあげたい、
大切にしたい、
そんな気持ちが生まれるようで。
だけど、尊敬し、認めることだけが「愛」ではない。
女にだって、男を裏切る権利はあるんだ。
だけど、これだけは云える。
男の「誇り」は傷つけてはいけない。
一度、傷つけたら、おしまいだ。
男の「誇り」は、味方につけるといいわ。
つづく
コメント
な~るほど。勉強になるなぁ。
自分も勉強中に関わらず、偉そうに語ってスミマセン。
性別、年齢問わず、人の心って難しいですね。
一生、勉強ですわ。