第33柱 私のもこり神様『経理の慶子さん』

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経理の慶子さん。


慶子さん(仮名)は、元・会計事務所勤務の経理のプロである。
結婚・出産後、ガガさんにスカウトされ、この映画制作会社で働いているそうだ。


色白、ふくよかで、優しい喋り方。
どことなく女優の松坂慶子さんに似ている。
(なので、このブログでは、彼女を慶子さんと呼ばせていただく)
色気と母性が共存する上品な女性だ。


そんな経理の慶子さん。
彼女の日常は、なかなか興味深い。


ひらっひらのロングスカートで、自転車に跨(またが)り、銀行へ向かう慶子さん。
云わんこっちゃない。
スカートの裾が車輪に絡まり、身動きがとれなくなる。


その場に立ちすくんでいたら、近くにいた見知らぬ男性が、すぐに助けてくれたそうだ。

「綺麗なスカートですが、少し引っ張りますよ。切れてもいいですか?」


慶子さんはニッコリと答えた。

「いいえ、困ります。自転車の方を解体してください」



座右の銘?

そんな慶子さんの「座右の銘」はこちら。
「今日出来ることは、明日も出来る」
ん? どういう意味ですか?


「明日に回してよい仕事は、今日はしない、したくない」だそうだ。

ねぇ、慶子さん。
「座右の銘」って、本来、自分を律したり、励ましたりする「心の道標(みちしるべ)」ですよね?


「頑張り過ぎるより、適度にテキトーな方が、人生うまくいくのよ」

ゆっくりとお茶を飲みながら、朗らかに笑う慶子さん。
鈴の音(ね)のような笑い声。
慶子さんが笑うと、その場が一瞬にして華やぐ。


アタシとしては、今日出来ることは、今日のうちにやってしまいたい。
そして、少しでも時間が空いたら、また、新しい何かを吸収したい。
一番下っ端なのだから、少しでも早く、一人前、イヤ、百人力になりたいのである。



慶子さんの横で。

もこり神様が囁いた。

「無理に詰め込むと、零れ落ちるだけ」



人は無限には頑張れない。
無理して頑張ろうとしても、見えないところに歪みが出来てしまう。
適度なゆとりを持たせることは、必要なのだ。



もこり神様の存在など知らない慶子さんが、呑気にお茶を啜っている。

「まこちゃんの淹れてくれたミルクティー、とーっても美味しいわ」



あはは。
もー、アナタの為なら、100杯でも淹れますよ。


頑張り過ぎるより、適度にテキトーな方が、人生うまくいく、か。


頑張ることは、勿論、素敵だと思うけど。
「ちゃんと」テキトーもしてみようかな。

つづく

コメント

  1. きょん より:

    ポチッと! 行方不明!。
    適当!臨機応変!自分を大切に!
    ゆとり持って行きましょ!