Hora! (オラ!)
何とか五体満足でメキシコに上陸。
寝不足気味は否めない。
残念ながら、日本におけるメキシコのイメージは、著しく悪い。
強盗、麻薬、殺人、レイプ。
凶悪犯罪のオンパレードだ。
それに引き換え、ポピュラーなのは「テキーラ」と「タコス」くらい。(まこ調べ)
そして、メキシコに一歩足を踏み入れた瞬間、英語とオサラバしなくてはならない。
公用語はスペイン語。
思った以上に、言葉は通じない。
じっとりと汗が滲む。
初めてのメキシコ。
スペイン語も、よくわからない。
それでも、この旅は、年上のアタシがリードしなければと、心に決めていた。
アタシの海外旅行経験は、20回ほど。
それに比べて、ハルちゃんの海外進出は、これで2度目だ。
しかも、英語もスペイン語もNGのハルちゃん。
心の底から不安に違いない。
しっかりしろ! アタシ!
オマエが頑張らなくてどうするんだ!
小刻みに震えながら、隣のハルちゃんを盗み見る。
「Hora! (オラ!)」 (やぁ!)
ん?
見ず知らずの係員さんに、笑顔で声をかけまくっているハルちゃん。
心配ご無用。
心強い旅のパートナーである。
その後も、Hora!(オラ)を連呼し、ホテルのチェックインまでは、無事、終了。
重い荷物を降ろし、さっそく街歩きと行きたいところだが、そろそろ夕闇も迫る時間。
やっぱ、ちょっこり怖いよね……。
結局、メキシコ一夜目は、ビビリ過ぎて、街中のレストランはパス。
代わりに、ホテル近くの大衆店でタコスをテイクアウト。
スペイン語の苦手な二人は、勿論、ジェスチャーゲーム状態である。
意外に種類の豊富なメキシコビールやお菓子も何とか入手し、ホテルへ戻る。
さぁ、恒例の「Salud(サルー)」(乾杯)といこう!
日本でもおなじみ、タコスをぱくり。
トルティージャ(とうもろこしの生地)に包まれた牛肉のグリルと生野菜はシンプルで美味いのだか、さり気なくかけられたサルサソースは侮れない。
この旅、唐辛子との戦いになりそうだ。
つづく
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